ホテルから排出された食品残さの房総地どりへの応用


[要約]
鶏用配合飼料にホテルから排出された食品残さを0%、3%および5%上乗せしたものを房総地どりに給与した結果、5%上乗せ群が残りの群と比べ、発育成績、肉質成績ともに良好な傾向がみられる。

[キーワード]食品残さ、房総地どり、発育成績、肉用鶏

[担当]千葉畜総研・生産技術部・養豚養鶏研究室
[連絡先]電話043-445-4511
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
近年、環境問題に大きな関心が寄せられている中、食品残さの飼料化が注目されている。本研究は県内のホテルから出る食品残さを千葉県の地どりである「房総地どり」に給与することにより、未利用資源の有効利用と飼料費の低減を図る。

[成果の内容・特徴]
 給与した食品残さは、ホテルの食べ残しと調理残さを当ホテル内に設置されている発酵乾燥装置に投入し、130℃の蒸気により40分間沸騰させ、乾燥、発酵させたものである。食品残さの成分値は2回分析したが、特に粗灰分に大きな変動がみられる(表1)。
1. 体重は餌付け2週後から調査終了の16週まで、5%上乗せ群が3%上乗せ群および対照(0%)群に比べて明らかに高い値で推移する(図1)。増体量も体重とほぼ同様の傾向で推移するが、12週以降の値に群による差はみられない。
 飼料も5%上乗せ群が最も多く摂取する傾向にある(図2)。
2. 解体成績はと体重の最も重かった5%上乗せ群が生肉重量、内臓重量ともに大きい値を示すが、と体割合に群による明らかな差はみられない。
3. 肉色は差がみられない。理化学的肉質成績において、加熱損失、せん断力価は5%上乗せ群が対照群と比べて明らかに低い値を示す(p<0.05)(表2)。
4. イノシン酸含量はむね肉、もも肉とも、5%上乗せ群、3%上乗せ群、対照群の順で多い傾向にある。

[成果の活用面・留意点]
1. 食品残さを有効利用し、美味しい鶏肉の作出が可能になると考えられるため、消費者に食品残さを理解してもらうことにより、今後、食品残さの地どりへの有効利用が期待できる。
2. ホテルから出される食品残さは成分値の変動が大きいため、過度の給与は栄養面的に問題が生じる可能性がある。
3. 食品残さに含まれる脂肪の酸化を防ぐ技術の検討が必要である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:養鶏における食品残さの有効利用の検討
予算区分:県単
研究期間:2001 ~2005 年度
研究担当者:村野多可子
発表論文等:村野(2003)千葉県畜産総合研究センター報告第3号:17-20.

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