SPF豚の銅、亜鉛の排出低減化


[要約]
SPF環境の子豚、肥育前期豚に飼養標準で示された要求量より低いレベルの銅、亜鉛の添加においても、発育の低下はなく、排出量も減少する。

[キーワード]ブタ、SPF環境、銅、亜鉛

[担当]静岡中小試・養豚研究スタッフ
[連絡先]電話0537-35-2291
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 豚において飼料への銅、亜鉛の添加は、豚の成長促進、飼料効率の改善を目的に多量添加がなされている。しかし、豚の排せつ物から排出される重金属により土壌汚染が懸念され、豚糞堆肥からできる限り重金属などの環境負荷物質を低減する必要がある。このことから、豚の生産性を低下させずに銅、亜鉛等の重金属などの環境負荷物質排泄量を同時に低減する家畜の栄養管理技術の開発が必要である。そこで、豚における銅、亜鉛の要求量を明らかにする。特にSPF環境における成長と、銅、亜鉛の要求量の関係について明らかにする。また有機銅、亜鉛の利用の効果を検討する。

[成果の内容・特徴]
1) SPF環境の子豚(3~8週齢)、肥育前期豚に、飼養標準に示された要求量より低い、銅、亜鉛の添加区をもうけ、発育と血清中、糞中の銅、亜鉛量を調査する。
2) 子豚、肥育前期豚ともに発育の低下は認められず、血清中の銅、亜鉛量に差はなく、添加量の低い区において、糞への銅、亜鉛の排出量は低下する(表12)。このことから、SPF環境では銅、亜鉛のいずれかを添加しなくても、必要な量の銅、亜鉛を飼料原料から吸収し、発育も低下することがないことが推定される。
3) SPF環境の子豚(3~8週齢)に、飼養標準に示された要求量の、無機銅、亜鉛剤と有機銅、亜鉛を添加し、発育と血清中、糞中の銅、亜鉛量を調査する。
4) 子豚の発育、血清中の銅、亜鉛含量に差は認められず、有機銅、亜鉛の添加区で、それぞれの糞への排出量が低下する(表3)。このことから有機銅、亜鉛の利用は、銅、亜鉛の糞への排出を低減化する有効な手段である。

[成果の活用面・留意点]
1) SPF環境で子豚、肥育豚を飼育した場合、飼料に銅、亜鉛のいずれかを添加する必要が無く、環境負荷を低減化できる。
2) 長期間飼育する繁殖豚について、銅、亜鉛を添加しない場合の、繁殖成績に与える影響を検討する必要がある。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:SPF豚の銅、亜鉛の要求量推定・SPF豚からの銅、亜鉛の排出低減技術の開発
予算区分:県単
研究期間:2002~2004年度
研究担当者:知久幹夫

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