農家におけるトウモロコシ細断ロールベールサイレージ利用の評価


[要約]
トウモロコシの細断ロールベールの取扱性は容易であり、サイロからの取り出し作業が省力化することや、サイレージは嗜好性・品質及び長期保存性に優れること、30~60頭規模の酪農経営にとっては1ロールがほぼ1日分又は1回分の給与量に相当するため二次発酵の心配が無いこと等、農家の評価が高い。

[キーワード]トウモロコシ、細断ロールベール、サイレージ、農家評価

[担当]群馬畜試・自給飼料グループ
[連絡先]電話027-288-2222
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(草地)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 トウモロコシ細断型ロールベーラが開発され、飼料用トウモロコシの収穫調製作業の軽労かつ省力化への期待が高まっている。
 本機の普及に向けて、農家レベルでトウモロコシ細断ロールベールサイレージの取扱性、品質評価等の給与実証を行い、その有効性についての農家評価を検証する。

[成果の内容・特徴]
1. 細断ロールベールの取扱性に対する評価は、ネット解体で当初戸惑いを示したものの慣熟後は問題なく、全体講評は5段階評価平均4.2~4.3と容易であるとの評価で、現行サイロ体系と比較しての軽労化は、4.3~4.8で現行サイロからの取り出し作業に比べロール解体作業の方が省力的であると高く評価されている(図12)。
2. サイレージの嗜好性及び品質に対する評価は、調製3ヵ月後及び11ヵ月後とも高く長期保存性に優れている点で農家の評価が高い(表1図12)。加えて、ロール1個が30~60頭規模でほぼ1日分又は1回分の給与量に相当するため二次発酵の心配が無いことが、給与実証参加農家において安心材料として評価されている。
3. 平成15年冬季給与の13戸に対する細断ロールベール体系の導入意向調査では、「現行サイロ体系に加えて細断ロールベール体系を平行導入したい」との意向を示した農家は6割に達した。一方、「現行サイロ体系の方が良い」とした農家では、給与ロスが無いことに評価が高いもののネットの解体や給与時取扱いの評価が低かった(図3)。
4. その他の点では、ラップフィルムを破損した場合でも、180~200DM・kg/m3前後の高密度梱包のためサイレージの変敗は穴の表面部分に限定され、全量廃棄の心配がなく給与計画を立てやすいことが給与実証参加農家に評価されている。
 また、冬季に現行サイロからロールに再調製しての給与実証からは、「サマーロール」として夏の二次発酵回避、農繁期・荒天時用、機械を共同で使いやすくなること、給与時の軽労化が図れる等、幅広い利用法が可能な点も実証農家から評価されている。

[成果の活用面・留意点]
1. 本調査で得られた農家レベルでの評価は、本機普及に際して農家に対する有効な説明材料となる。
2. 本給与実証は、平成14年調製の3ヵ月保存後の冬季に11戸、11ヵ月後の翌年夏季に同農家の内6戸、平成15年は冬季に13戸(新規7戸)、翌年夏季に同農家の内6戸を対象として、7~10日間程度の連日給与を経た後の評価について調査した結果である。
3. 細断ロールベールのロスが少ないメリットを活かすためには、ラップフィルムの破損箇所は直ちに補修することが望ましい。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:トウモロコシ細断型ロールベーラの実証試験
予算区分:受託
研究期間:2002~2003年度
研究担当者:新井一博、茂木宏徳、志藤博克(生研センター)
発表論文等:1)新井(2004)平成16年度自給飼料品質評価研究会資料:17-22

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