密閉堆積型発酵処理における牛ふんの発酵特性


[要約]
密閉された発酵槽の下部から通気し、発酵槽上部から排気する発酵槽、及び排気中の酸素濃度をもとにした間欠制御系から構成される密閉堆積型発酵装置を用いることで、悪臭の拡散を防止し通気の効率化を図った堆肥化ができる。

[キーワード]密閉堆積型発酵装置、間欠通気制御、酸素濃度、牛ふん、家畜ふん尿

[担当]神奈川畜研・企画経営部・畜産環境グループ
[連絡先]電話046-238-4056
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(畜産環境)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 畜産経営から発生する臭気、特に堆肥化施設では高濃度のアンモニア対策に苦慮している。そこでコンテナのような密閉容器を発酵槽に利用することで悪臭成分の捕集を容易にし、排気中の酸素濃度から通気停止時間を調整する間欠通気制御により通気の効率化が可能となる密閉堆積型発酵装置を用いて堆肥の発酵特性を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 通気制御が可能な20リットル容量の密閉堆積型発酵装置において牛ふんの発酵特性を検討する。通気制御については、通気時間3分、通気量を200リットル/hr一定とし、排気中の最低酸素濃度が設定酸素濃度(16%)未満の場合には通気停止時間(初期値15分)を2分短縮し、設定酸素濃度以上の場合には通気停止時間を2分延長する間欠通気制御が有効である(図1図2)。
2. おが屑で水分率68%に調整した牛ふんを堆肥化して、堆肥温度と排気酸素濃度及び積算通気量から発酵特性を検討した結果、堆肥温度は発酵により65℃まで上昇し、また堆肥中微生物の酸素消費に起因する酸素濃度の顕著な低下が確認されることから、上記間欠通気制御により堆肥化に必要な酸素が効率的に供給できる(図3)。
3. おが屑で牛ふんの水分率を65、68、74%に調整し堆肥化したところ、有機物分解率及び炭素分解率は、水分率68%区が最も高い値を示すことから、密閉堆積型発酵処理における牛ふんの最適水分率は68%付近にある(図4)。

[成果の活用面・留意点]
 今後の実規模試験において、発酵程度や堆肥品質のむらやばらつきが少ないことを確認することで、堆肥化の切り返しを大幅に効率化できる可能性がある。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:(1)密閉堆積型発酵処理における発酵特性の解明
予算区分:バイオリサイクル
研究期間:2002~2004年度
研究担当者:川村英輔、青木稔、藤井八月
発表論文等:
川村(2002)平成14年度試験成績書(畜産環境・経営流通・企画調整):13-17

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