有機質資材中の水分簡易測定法(改良法)および粗灰分簡易測定法


[要約]
有機質資材中の水分簡易測定において、インジケーターを用いることにより、試料を炭化させることなく電子レンジ乾燥が行える。またガスコンロによる灰化を行うことで、低コストかつ簡易迅速な粗灰分含量測定が可能である。

[キーワード]有機質資材、水分、粗灰分、簡易測定法、家畜ふん尿

[担当]新潟農総研・畜産研・環境・飼料科
[連絡先]電話0256-46-3103
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(畜産環境)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 資源循環の観点から、家畜ふん堆肥をはじめとする有機質資材を有効に土壌施用することが求められている。そのためには乾物量を把握するうえで水分を簡易かつ正確に測定することが重要である。電子レンジ乾燥による水分簡易測定法は試料の炭化が生じる場合があり、終点判断にやや熟練を要するため、改良法を検討する。また、粗灰分の測定は、有機質資材の評価において有機物含量を把握するために重要であるが、マッフル炉等高価な器材と6時間程度の操作時間が必要である。そこで、有機質資材全般に適用できる粗灰分簡易測定法を開発する。

[成果の内容・特徴]
1. 電子レンジ乾燥による有機質資材中の水分簡易測定は、インジケーターを用いることで終点判定が容易となる(図1図2)。インジケーターは塩化コバルトⅡ水溶液(1g/50ml)で紙にしま模様を書いて作製し、測定毎に使い捨てる。
2. ガスコンロによる粗灰分簡易測定は、特別な機材を必要とせず、0.01g秤量の秤と電子レンジ、ガスコンロを備えた農業改良普及センター等で対応可能である。また、ガスコンロは携帯型カセットコンロで代用できるので、屋外でも操作を行うことができる。
3. 粗灰分簡易測定の所要時間は30分以内であり、常法での測定(半日~1日)に比べ非常に短く、操作も容易である(図3図4)。
4. 本法は、家畜ふん堆肥・生ごみ処理物・発酵キノコ廃床・市販有機質肥料・バーク堆肥・モミガラ堆肥・乳牛ふん・モミガラ・オガクズ・飼料・ドッグフード・ピートモス等の有機質資材に適用できる。

[成果の活用面・留意点]
1. 堆肥化前後のそれぞれの灰分を測定することにより、堆肥化期間中の乾物分解率を推定できる。
乾物分解率(%)=(1-堆肥化前灰分(%/DM) /堆肥化後灰分(%/DM))×100
2. 簡易測定した粗灰分含量は、別途求めたADF含量とあわせてAD可溶有機物の算出に利用できる。
 AD可溶有機物(%/DM)=100-ADF(%/DM)-粗灰分(%/DM)
 AD可溶有機物は有機質資材中の易分解性有機物の指標として利用できる。
3. 粗灰分簡易測定は試料の均一性が重要であるので事前にクッキングミルで粉砕しておく。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:各種堆肥の品質評価技術の開発及び品質評価基準の策定
予算区分:国委託
研究期間:2000~2004年度
研究担当者:安藤義昭、小柳渉

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