ニホンナシ「にっこり」の糖度向上技術


[要約]
ニホンナシ「にっこり」は収穫時期が早く、主幹から遠い位置に着果した果実、地色が進んだ果実、大きい果実ほど糖度が高い。そのため、主幹から遠い位置から発生した側枝を利用し、摘果時期を早めることにより大玉で高糖度な果実の生産が図れる。更に、反射資材を利用することで果実糖度はより高まる。

[キーワード]ニホンナシ、にっこり、果実糖度

[担当]栃木農試・園芸技術部・果樹研究室
[連絡先]電話028-665-7143
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 栃木県で1996年に育成したニホンナシ「にっこり」は10月中下旬に収穫できる晩生種で、平均果重800g程度と大果で食味が優れている。2004年の栽培面積は約56haで年々増加傾向にある。しかし、県内各地で植栽されるに従い、地域、栽培条件及び栽培年によって果実糖度の変動がみられたことから、果実糖度の向上技術を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 糖度低下が懸念される県北地域での実態調査(2001年)では、果重が950g以上と大きい果実を生産するほ場ほど糖度が高く、860g未満のほ場では11%以下と低い(データ省略)。
2. 農試の実態調査(2001年)では、(1)主幹から遠い位置に発生した側枝に着果する果実、(2)収穫時期が早い果実、(3)地色が進んだ果実ほど糖度が高い(図1)。
3. 予備摘果を慣行より25日早い満開後15日に行うことで果重が10%大きくなり、果実糖度も高くなる(図2)。
4. 主枝の中央より先に発生した側枝を用いるせん定方法とすることで果実糖度が向上する(表1)。
5. 満開後120日(8月中旬)に樹冠下に反射資材を敷設することで、果色が進み収穫期の前進が図られ果実糖度が向上する(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 「にっこり」は、開花期が「幸水」より6日程度早いため、予備摘果を「幸水」の前に行い作業分散を図ることにより、労働力を増やすことなく規模拡大ができる。
2. 反射資材を敷設すると、果実表面色の赤味が強くなるため、収穫期の判定は地色で4.5以上を基準とし、未熟果を収穫しないように注意する。
3. 早期摘果、せん定方法の改善及び反射資材の敷設を組み合わせることにより、果実糖度を安定して高めることができる。
4. 樹冠中央が空かないよう側枝は主幹基部の方向に誘引する。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:ナシ「にっこり」の栽培技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2001~2003年度
研究担当者:大谷義夫、小島耕一

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