点滴灌水施肥栽培におけるスプレーギクの養水分管理プログラム


[要約]
点滴灌水施肥栽培(養液土耕)におけるスプレーギクの養水分管理プログラムは、作当たり施肥量を、窒素およびりん酸23g/m2、加里46g/m2とし、花芽分化期に施肥を抑える。灌水量は日射量で制御し、葉数20枚を目安に灌水量を多くする。

[キーワード]点滴灌水施肥栽培、スプレーギク、養水分管理、日射量

[担当]栃木県農業試験場・園芸技術部・花き研究室、環境技術部・土壌作物栄養研究室
[連絡先]電話028-665-7071
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 現在、切り花栽培は施設の大型・重装備化に伴い、固定化した施設内で周年栽培が行われている。特に、スプレーギクは年に3作以上と主要切り花の中でも連作回数が多く、塩類集積による連作障害が懸念される。そこで、植物が要求する肥料および水分量を明らかにし、点滴チューブと液肥を用いた養分が残存しない点滴灌水施肥栽培の養水分管理プログラムを作成する。

[成果の内容・特徴]
1. 切り花長115~120cm、切り花重70~85g開花株における(供試品種:ウェルドン)養分吸収量は、m2当たり(69株/m2)窒素30g、リン酸7.5g、カリ60gである。
2. 生育量が異なる3品種(供試品種:ユーロ、ウェルドン、ロイヤルトゥアマリン)の無機成分含有率はほぼ同程度であり、養分吸収量は生育量により推定できる。
3. 85cm調整重50g程度を目標としたm2当たり(69株/m2)の施肥量は、窒素23g、りん酸23g、加里46gであり、加里は窒素の2倍施肥する。また、窒素および加里は液肥で施用し、りん酸は定植時に元肥施用する。
4. 生育ステージ別の施肥体系は花芽分化期に施肥量を抑えることによって、スプレーフォーメーションが向上し、品質が良くなる(表1)。
5. 灌水量は、蒸発散量と相関が高い日射量で制御し、定植から葉数20枚までは0.5L/2.1MJ/m2、葉数20枚から収穫まで0.7L/2.1MJ/m2にすることで、栽培期間中の土壌水分が好適条件に保てる(表2図1)。
6. 栽培終了時の土壌中無機成分は、栽培による残存が少なく硝酸態窒素は5mg以下である。切り花品質は慣行栽培と同程度である。(表34)。

[成果の活用面・留意点]
1. 栽植密度は69株/m2(12cm×12cm)とした。
2. 土質により保水量が異なるため、1回当たり灌水量には留意する。
3. 作付け前の残存養分が少ない土壌において適応される。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:持続的切花生産のための養水分管理技術の開発
予算区分:国補(先端技術実用化)
研究期間:2001~2003年度
研究担当者:高橋栄一、青木雅子、高沢慎

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