耐病性に優れた晩生大型の花壇用チューリップ新品種「紅ずきん」


[要約]
花色が濃橙赤色で晩生大型のチューリップ「紅ずきん」を育成した。本品種は耐病性に優れ、花及び茎葉が強健で風雨に強いことから、花壇植えに適する。

[キーワード]チューリップ、耐病性、花壇用、晩生大型、濃橙赤色

[担当]富山農技セ・野菜花き試・花き課
[連絡先]電話0763-32-2259
[区分]花き、関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 チューリップ品種の中で、晩生品種のカラーバリエーションが少ないことから、花色が赤から橙色で、茎葉が強健な品種の育成を目標にした。また、近年多発傾向にある土壌伝染性病害に対する抵抗性に着目して選抜を行なった。

[成果の内容・特徴]
1. 育成経過
1984年に茎葉強健でシングルレート群品種「Nausicao」を種子親、4倍体のシングルレート群品種「Mrs.John T.Scheepers」を花粉親とした交配によって得られた実生栄養系の中から選抜した。2002年から3年間、系統適応性検定試験に供した結果、優良と認められた。
2. 特性の概要
1) 富山での露地開花期は4月下旬~5月上旬。また、各試験地における開花期は4月上旬から5月下旬である(表1)。
2) 花色は晩生大型品種には少ない濃橙赤色。開花時の茎長は40cmを超えるが、茎葉ともに強健でかつ葉の着生バランスが良く、花壇植えに適する(図1表1)。
3) 日本海側の球根生産地では、主球の肥大性に優れるとともに球根収量が多く、安定した球根生産が可能である。(表2)。
4) 球根腐敗病、微斑モザイク病及び条斑病に対して「ありさ」同様、対照品種の「Menton」、「Ile de France」より強い(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 晩生大型品種のカラーバリエーションの増加に役立つ。
2. 日本海側の球根生産地及び全国の花壇栽培用に適する。
3. 主球の肥大性が旺盛なことから裂皮球が多く発生する傾向があるので、球根生産地ではほ場の肥培・水分管理に注意する必要がある。
4. 現促成栽培法では、開花率は高いが花弁先端に緑色が残ることなどから採花率が低い。
5. 品種登録出願予定


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:チューリップ新品種の育成
予算区分:指定試験
研究期間:1984~2004年度
     研究担当者:川田穣一、浦島修、馬田雄史、國重正昭、岡崎桂一、村上欣治、今井徹、
     辻俊明、小泉昌弘、木津美作絵、飯村成美、池川誠司、高尾麻実

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