小球開花性の高いユリ品種「95-64」、「94-17」、「97-4」


[要約]
多花性で、小球開花性が高く、花色の異なるユリ種間雑種「95-64」、「94-17」、「97-4」を胚培養により育成した。花色は淡い桃色、鮮明な黄色、濃い赤色である。3品種とも草丈の伸びが良好で、栽培が容易である。

[キーワード]ユリ、種間雑種、多花性、小球開花性、胚培養

[担当]福井園試・野菜花き研究グループ
[連絡先]電話0770-32-0009
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 福井県内で栽培されるユリの多くはシンテッポウユリであり、花色が白色に偏っているため、市場と生産者から多彩な花色のユリ切り花生産が望まれている。花色の多彩なスカシユリは、シンテッポウユリに比べて球根養成期間が長いため、栽培は少ない。このため、シンテッポウユリにスカシユリを交配し、胚培養により得られた種間交雑系統から球根養成期間が短く、花色と花姿が優れた個体を選抜した。

[成果の内容・特徴]
1. 1994~1997年に交配し、胚培養で作出した種間交雑系統から花色の異なる3品種を選抜した。いずれの品種も多花性で、草丈の伸びが良く、茎が堅く、小球開花性が高い。
2. 「95-64」は1995年に「ひのもと新鉄砲」と「サンシロ」を交配した種間交雑種で、花色は淡桃色である(表1図1)。
 小球開花性が極めて高く、無菌増殖で得られた5mm程度の小球が1年で開花する(表2)。
3. 「94-17」は1994年に「北岳2号」と「イエローサブマリン」を交配した種間交雑種であり、花色は黄色である(表1図1)。
 小球開花性が高く、無菌増殖で得られた5mm程度の小球が1年で開花する(表2)。
4. 「97-4」は1997年に「91-49」(北岳2号×レッドルビー)に「コリナ」を交配した種間雑種で、花色は濃赤色、花弁に斑点があり、草丈が高い(表1図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 各品種とも茎は堅く、スカシユリのように茎を堅くするために灌水を控える必要はない。灌水量が不足すると、根張りが悪くなるため、ボリュームが不足する。
2. 葉枯病耐病性は、「若狭の歌姫」と同等の中程度であり、予防的に防除する。
3. 品種登録出願予定。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:福井ユリの新品種育成
予算区分:県単
研究期間:1994~2004年度
研究担当者:滝修三、岩本祐佳、数馬俊晴、杉本義則、池田郁美

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