四季成り性イチゴ新品種「栃木18号」


[要約]
四季成り性イチゴ品種「栃木18号」は夏秋どり栽培に適し、高品質で収量性が高い。

[キーワード]イチゴ、夏秋どり栽培、四季成り性、果実品質

[担当]栃木農試・栃木分場・いちご研究室
[連絡先]電話0282-27-2715
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 イチゴは、端境期の7月から10月にかけて業務用として高い需要がある。しかし、通常の一季成り品種では、夏秋期の果実生産が困難であることから、夏秋期を中心に年間5,000トン前後の生鮮イチゴが海外から輸入されている。そこで、端境期の国産イチゴの安定生産を図るため、高品質で収量性の高い四季成り性品種を開発する。

[成果の内容・特徴]
1. 育成経過
 平成8年に四季成り性品種「セリーヌ」の実生を子房親に、果実硬度が高く日持ち性と食味が優れる「さちのか」を花粉親として交配し、交雑実生473個体を育成した。その中から、平成9年に96-64-13の系統を選抜した。96-64-13は四季成り性が強く、収量性、果実硬度、食味が優れていたため、平成11年に「栃木18号」の系統番号を付けた。平成13年から現地栽培試験を行い、平成16年に品種登録申請した。
2. 「栃木18号」の特性
1) 四季成り性品種としては、ランナーの発生が極めて良い(図2)。
2) 四季成り性が強く、夏秋期の花房出蕾の連続性に優れる。各花房の着花数はやや多い。 花房の連続出蕾による着果負担から心止まり株が発生しやすい。
3) 収量はペチカと同等で多収性である。果実の大きさは平均10.4gでペチカより大きい。果形は円錐形で果色は鮮紅色である。果実先端部分に不受精による奇形果(先青、 先づまり果)が発生することがある。果実が硬いため傷み果の発生が少なく、日持ち性 が優れる。糖度、酸度ともやや高く食味は良い(表12)。
4) 特定の病害に対する抵抗性はない(炭疽病、萎黄病、うどんこ病に罹病性)。適応作 型は夏季冷涼な中山間地域における夏秋どり栽培である。

[成果の活用面・留意点]
1. 平地での栽培は、高温に起因する不受精果や、炭疽病、萎黄病およびアザミウマなど の病害虫の被害が多発するため不適である。
2. 心止まり対策として、常時わき芽を2~3本確保する。
3. 平成16年7月に品種登録出願(出願中)


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:イチゴの新品種育成
予算区分:県単
研究期間:1996~2004年度
研究担当者:植木正明、大橋幸雄、高際英明、栃木博美、重野 貴、出口美里、深澤郁夫、癸生川真也、稲葉幸雄

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