海洋深層水等の海水添加培養液を用いた高糖度トマトの養液栽培


[要約]
ワンポット式養液栽培において、海洋深層水等の海水を24~38倍に希釈し、窒素、リン、カリウム、カルシウムおよび微量要素を加えた海水添加培養液を用いることにより、Brix9%以上の高糖度トマト生産が可能であり、肥料コストを削減することができる。

[キーワード]海洋深層水、海水、高糖度トマト、養液栽培

[担当]静岡農試・園芸部
[連絡先]電話0538-36-1555
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 水分ストレスを付与するために高濃度培養液を用いる高糖度トマトの養液栽培では、年間の肥料使用量が多く、コスト削減が求められている。そこで、水分ストレスを付与するための肥料成分として駿河湾海洋深層水等の海水を用いた高糖度トマト栽培法を確立し、肥料コストの削減を図る。

[成果の内容・特徴]
1. ワンポット式養液栽培(培地:ロックウール細粒綿、培地量:600mL/株、栽植方式:3段摘心密植、図1)に使用する海水添加培養液は、海水(表1)を水100L当たり2.7~4.2L添加し(24~38倍希釈、EC2.3~1.3dS/m)、窒素、リン、カルシウムおよび微量要素を所定量添加して、EC濃度を4.0dS/mに調整する。
2. 海洋深層水を多添加(24倍希釈)および少添加(38倍希釈)した培養液におけるトマトの生育、収量は、化学肥料のみの培養液と差はなく、いずれもBrix 9%以上の高糖度トマト生産が可能である。
3. 海洋深層水および表層水を添加した培養液(24倍希釈)におけるトマトの生育、収量は、化学肥料のみの培養液と差はなく、いずれもBrix 9%以上の高糖度トマト生産が可能である(図2)。
4. 海水添加培養液(海洋深層水、24倍希釈)を用いることによって、化学肥料のみの培養液に比べて、年間の肥料コストを約40%削減することが可能である(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 海水添加培養液の組成は、ワンポット式養液栽培による高糖度トマト生産用の培養液処方と近似するように設計されており、栽培方式等が異なる場合には添加する化学肥料の種類および量を調節する必要がある。
2. 海水の運搬、貯留、原水の経費は別途必要である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:海洋深層水の多面的機能活用技術の開発
予算区分:県単
研究期間:2002~2003年度
研究担当者:大石直記、天野高士、大宮琢磨

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