ウワバミソウの温床利用による促成栽培


[要約]
ウワバミソウを促成栽培する場合、促成を開始する時期を遅らせることにより生育期間が短くなり収量性が良くなる。また、促成開始時に施肥(緩効性、窒素成分1.5kg/a)を行うことによりL級品以上の比率が増加し、収量は向上する。

[キーワード]ウワバミソウ、促成栽培、施肥

[担当]富山林技セ・林試・中山間地域資源課
[連絡先]電話076-483-1511
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 ウワバミソウは春先から利用できる山菜として需要が多いが山取株の出荷が主である。トンネル栽培による早出し(4月)も試みられており、高値で取引されていることから、温床利用による、より早い時期の促成栽培の可能性について検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 肉芽由来のウワバミソウ苗をコンテナに10cm間隔で15株植え付け、スギ林床(相対光量14.3%)で1年養成した株を使用。加温開始までは戸外で管理し、栽培はガラス温室(室温設定15℃)内の電熱温床に設置しビニルトンネル・遮光シートを行い一定の温度で栽培する。
2. 促成栽培を開始する時期が遅いほど各生育ステージまでの生育期間は短くなり、必要とする積算地温も少くなる。また、立茎本数も多くなる(表1)。
3. 開始時期・温床温度が同一の条件下では、肉芽由来の苗をコンテナ移植時に施肥した区の立茎数が多いが、促成開始時に施肥を行った物が品質面で優れ収量性も高い(表2図1)。
4. 出荷規格は茎長20cm以上であるが、促成時に施肥を行うことにより、L級品(茎長30cm)以上の比率が増加し、自生の好条件地(相対光量15%程度の湿った林床・2,000g/m2程度)には及ばないものの、収量は最大で1,373.8g/m2である(表2図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 堀取りに労力を要するのと、堀取り時に株を痛めやすいので、促成栽培する株はあらかじめコンテナ等で養成しておく。
2. 促成時は乾燥と直射日光による葉焼けを防ぐため、ビニルトンネルを行い遮光シートで被覆する。
3. 本試験では肉芽由来の1年養成株での試験結果であり、株養成の期間を長くすることで収量性は高くなると考えられる。
4. 施肥を行う場合は、緩効性の肥料を使用する。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:中山間地域資源生産安定技術開発
予算区分:県単
研究期間:2002~2004年度
研究担当者:牧野 徹

目次へ戻る