秋まき越冬夏どりネギ栽培における播種期と施肥法


[要約]
越冬夏どりネギ栽培において、晩抽性品種「春扇」を9月下旬に播種し、11月上旬の定植時に被覆尿素肥料を全量基肥条施用する栽培法は、本県の平均的な降雪においては越冬可能で、翌春の抽だいの発生も少なく、増収効果が高い。

[キーワード]ネギ、春扇、越冬、播種時期、被覆尿素肥料、全量基肥、抽だい

[担当]石川農研・育種栽培部・野菜科
[連絡先]電話076-257-6911
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 秋まき越冬夏どり作型は水稲作業との労力競合や中国からの輸入品との競合が少なく、価格も比較的安定しているが、積雪下での越冬や翌春の抽だいにより品質及び収量が低下する等問題もあり、生産が不安定である。そこで、年内の定植における播種時期及び施肥法が越冬率及び抽だい率に及ぼす影響について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 9月下旬に播種し、11月上旬に定植すると、越冬前の葉鞘径が3~4mmと細く、越冬時に花芽形成しにくいため抽だいの発生が少ない。本試験年の最大積雪深は49cm、積雪期間39日で、本県平野部の平年値(最大積雪深41cm、積雪期間42日)とほぼ同等であったが、越冬率は90%以上と高く、平年の降雪では越冬可能と考えられる(表1図1)。
2. 11月上旬の定植時に被覆尿素肥料30日タイプ(以下、LP30)を全量基肥条施用することで、2月下旬以降の5回の追肥が省略できる。LP30の溶出率は、越冬前の12月下旬は31%、越冬後の3月上旬は50%であり、80%に達する時期は6月中旬である(図2)。
3. 肥効が持続するLP30区の収量は慣行区に比べ葉鞘径及び1本重が1割程度大きく、可販株収量も2倍程度多くなる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 本成果は晩抽性品種「春扇」を用いて得られた技術である。
2. 越冬率を向上させるため、排水の良好な圃場を選定する。定植溝は5cm程度と浅くし、定植溝が滞水しないように周囲に明渠を切り、表面排水に努める。
3. 被覆尿素肥料LP30の溶出が早い場合は生育後半に草勢に応じて追肥をする。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:水田輪作導入野菜の高品質安定生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2003~2005年度
研究担当者:津島香織

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