荒茶の土壌群別産地の判別


[要約]
静岡県内の黒ボク土、赤黄色土および褐色森林土の産地で生産される荒茶は、Al、B、Ba、Ca、Cu、Fe、K、Mg、Mn、Ni、P、Sr、Znの13元素の含有量を用いて線形判別分析を行うことにより、土壌群別に判別できる。

[キーワード]チャ、無機元素分析、線形判別分析、土壌群別産地判別、荒茶

[担当]静岡茶試・土壌肥料研究
[連絡先]電話0548-27-2883
[区分]関東東海北陸農業・茶業
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 近年、食品の安全・安心に対して消費者の関心が集まり、原産地表示に関する消費者ニーズが高まっている。静岡茶は国内茶生産の約45%を占め、全国的に定着したブランド名であることから、国内産茶の判別を行う場合は県内の主要茶産地を調査することが不可欠である。そこで、県内の異なる土壌群で生産された荒茶の元素分析を行い、元素組成を明らかにして静岡茶における茶産地判別法を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 蛇紋岩・変成岩由来の褐色森林土の産地で生産された荒茶はNi含有量が多く、K含有量が少ない。P含有量は赤黄色土の産地の荒茶に多く、黒ボク土で少ないなど、土壌群別の産地で生産された荒茶の無機元素含有量に特徴がある(表1)。
2. 13元素の分析値を用いた線形判別分析の結果、判別モデルに用いた49点については98.0%(48/49)の正答率で判別できる(図1表2)。
3. 判別モデルの信頼性を検定するために、土壌群別に任意の1~2点計5点を除き、44点の荒茶で作成した判別モデルに、除いた5点を未知試料として代入し予測の正答率を求めたところ、90%で判別できる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 無機元素の分析は硝酸、過酸化水素で湿式灰化して調整した試料を用い、ICP発光分析装置により行った。さらに多くのデータを蓄積することにより、より信頼性の高い茶の原産地判別に寄与できる。
2. 用いた試料は2004年産一番茶で黒ボク土の産地から10工場、赤黄色土から20工場、褐色森林土のうち砂岩・頁岩由来は11工場、蛇紋岩・変成岩由来は8工場で合計49工場の荒茶である。
3. 線形判別分析はSTATISTICA(StatSoft)を用い判別に有意な変数からモデルに追加する前進法で行った。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:茶と栽培土壌の元素組成の解析と流通における履歴管理による原産地表示判別技術の開発
予算区分:国委(高度化事業)
研究期間:2002~2004年度
研究担当者:青山正巳

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