明黄色の新しい花色の鉢物用マーガレット新品種「伊豆19号」


[要約]
マーガレットとハナワギクの属間雑種系統の挿し穂にX線を照射して、鉢物用マーガレット新品種「伊豆19号」を育成した。本品種は既存の品種にはない明黄色の花色を持ち、草姿がコンパクトで、連続開花性を有するため、鉢物用として利用が可能である。

[キーワード]マーガレット、新品種、突然変異育種、鉢物、コンパクト、明黄色

[担当]静岡農試・生物工学部・生物工学育種研、南伊豆分場
[連絡先]電話0538-36-1558、0558-62-0001
[区分]関東東海北陸農業・生物工学
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 近年のガーデニングブーム等により本県特産花きであるマーガレットの鉢物・花壇用途の需要は増加傾向にある。そこで、マーガレットの栽培品種の多様化を図るため、マーガレットとハナワギクの属間雑種である浅橙色の育成系統「伊豆15号」にX線を照射し、突然変異個体から新しい花色の鉢物向け有望系統を選抜する。

[成果の内容・特徴]
1. 育成経過
2003年6月に「伊豆15号」の摘心後の苗にX線(200kVp)を10Gy照射した。その後伸長した芽を9月に挿し芽し、花色が明黄色に変異した1個体を選抜した。同年11月に選抜個体から挿し芽繁殖した個体に花色のキメラが出現したため、2004年6月~11月に挿し芽繁殖を繰り返し、得られた個体のキメラの有無、変異形質の安定性の確認を行った。その結果、キメラがなく、既存の品種にはない明黄色の花色やコンパクトで鉢物適性に優れる等の優良性が認められたため、同年11月に育成を完了し、「伊豆19号」として命名した(図1)。
2. 生育特性
1) 「伊豆19号」は、親品種である「伊豆15号」の浅橙色の花色が明黄色に変異した花色変異品種である(表1図2)。
2) 形態は、親品種の「伊豆15号」と比較して開花時草丈が低く、株張りも小さく、コンパクトな草姿をしている。葉の形質は葉身長、葉身幅が小さく、欠刻が深く、葉色が淡緑である。親品種と同様に夏期も連続して開花し、親品種よりも高温期の退色が少ない。他の形質は親品種と同等である。
3. 現地適応性
1) 既存の品種にはない明黄色の花色で、草姿はコンパクトであり、鉢物適性等の点で高く評価された(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 本品種は種苗法による品種登録出願予定であり、栽培には静岡県との許諾契約が必要である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:放射線を利用した本県特産花きの育種技術開発と優良品種・母本の育成
予算区分:国交(放射線)
研究期間:2003~2004年度
研究担当者:植田陽子、山田栄成、稲葉善太郎

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