LAMPで簡単!アザミウマの種識別


[要約]
愛知県内の野菜で発生が認められる4種のアザミウマのrDNA ITS2領域塩基配列から、それぞれの種に特異的なLAMPプライマーを設計した。虫体磨砕液に対してこれらのプライマーを用いたLAMP反応を行うことによって、1時間以内で種識別をすることができる。

[キーワード]LAMP法、アザミウマ、種識別、ITS2領域

[担当]愛知農総試・環境基盤研究部・生物工学グループ
[連絡先]電話0561-62-0085
[区分]関東東海北陸農業・生物工学、関東東海・病害虫(虫害)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 アザミウマ類は野菜・花き・果樹などの農産物にとって重要な害虫である。現在、農作物に被害を及ぼすアザミウマは27種報告されているが、これらは一部の種を除き、形態による識別は容易ではない。しかし、アザミウマは、種によって効果のある薬剤が異なる場合があるため、適切な防除を行うためには発生したアザミウマの種を正確に判断することが必要になる。すでに、土田らによってPCR-RFLPによる種識別法が開発されているが(Toda and Komazaki, 2002)、煩雑なDNA抽出およびPCR断片の制限酵素処理が必要であるため、LAMP(Loop-mediated isothermal amplification)法による短時間で簡易に行うことのできる識別法を確立することを目的に本研究を行った。

[成果の内容・特徴]
1. LAMP反応では、6ヶ所の配列をもとに設計した4種類のプライマー(F3、B3、FIP、BIP)を用いる。ミカンキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ、ネギアザミウマの4種のアザミウマについて、リボソームRNA(rRNA)のInternal transcribed spacer 2 (ITS2) 領域(GenBank accession No. AB063334, AB063341, AB063335, AB063340)から、それぞれの種を判別できるLAMPプライマーを設計した。ミカンキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマについてはLAMP反応を促進するLoopプライマーを併せて設計した(表1)。
2. 本法では、通常の形態識別では種識別をすることができない幼虫を用いることができる。
3. 本法では、図1に示した簡易な手順によってアザミウマの種識別を行うことができる。
4. 本法では、反応液の白濁によって遺伝子増幅を確認できるため、LAMP反応後のチューブを目視することで種の識別が可能である(図2)。
5. 愛知県内で発生が認められているアザミウマ4種について複数個体群調査した結果、それらの識別が可能であった。

[成果の活用面・留意点]
1. 栽培作物に寄生したアザミウマを早期に識別することにより、迅速に防除対策を講じることができる。
2. 本研究で利用したrRNAのITS領域をLAMPプライマーのターゲット配列として用いることにより、他のアザミウマの識別も可能である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:農作物のDNAマーカーの開発及び応用性の検討
予算区分:県単
研究期間:2002~2004年度
研究担当者:福田至朗、市川耕治、大矢俊夫

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