アールス系メロン'O-3'由来の日持ち性を判別できるLAMPマーカー


[要約]
アールス系温室メロンの日持ち性と連鎖するCAPSマーカーの認識部位の塩基配列を解析した結果、日持ち性と非日持ち性メロンとの間の配列の相違は1塩基のみであった。この差異を検出できるLAMPプライマーを設計することによって日持ち性を判別することができる。

[キーワード]LAMP法、メロン、日持ち性、SNPs、DNAマーカー

[担当]愛知農総試・環境基盤研究部・生物工学グループ
[連絡先]電話0561-62-0085
[区分]関東東海北陸農業・生物工学
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 近年育成されるアールス系温室メロン品種の多くは、収穫期になっても果皮が黄化しにくく日持ち性が高い性質を備えている。このような日持ち性形質を持った品種は生産流通過程でのロスが軽減されることから、品種として不可欠な形質となっている。愛知育成系統 'O-3' 由来の日持ち性形質は完全優性主働遺伝子に支配されており、遠山らによって本形質を判別するCAPSマーカーが報告されている。
 一方、近年開発されたLAMP(Loop-mediated isothermal amplification)法は短時間で効率よくDNAを増幅する方法として、様々な場面での応用研究が進んでいる。本研究は、'O-3' 由来の日持ち性マーカーのLAMPマーカー化により、さらに簡易な品種育成を可能とすることを目的に行った。

[成果の内容・特徴]
1. 'O-3'由来の日持ち性CAPSマーカーの認識部位の塩基配列を解析したところ、図1Aに示したように1塩基の相違(SNP)がある。
2. この塩基配列の差異がB2領域の末端になるように日持ち性および非日持ち性を検出できるLAMPプライマーを設計した(図1B)。
3. 日持ち性メロン 'O-3' 、非日持ち性メロン 'NAT-2' およびこれらを親に持つF1メロンからDNAを抽出した。このDNAを鋳型に63℃、1時間のLAMP反応を行うと、CAPSマーカーの結果と一致する(図2)。
4. 'O-3' と 'NAT-2' のF2世代についてLAMPマーカーによる解析を行ったところ、CAPSマーカーの結果と一致する。
5. LAMP法は等温反応なので特別な機材を必要としない。また、増幅の有無を白濁によって確認できるので電気泳動が不要で迅速である。

[成果の活用面・留意点]
1. LAMPマーカーを利用した選抜により、育種の効率化が可能である。
2. 鋳型としては、100mgのメロン葉からDNeasy Plant Mini Kit (Qiagen)によって抽出したDNAを用いる。不純物の多いDNAでは非特異的な反応により白濁することがある。
3. LAMP反応時間は60分とする。60分以上の反応によって、非特異的な白濁が起こることがある。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:農作物のDNAマーカーの開発及び応用性の検討
予算区分:県単
研究期間:2002~2004年度
研究担当者:福田至朗、水上優子、石田朗、大矢俊夫

目次へ戻る