夏秋ナス「改良U字3本仕立て・側枝更新剪定」技術の導入効果


[要約]
夏秋ナス栽培の新草姿管理技術「改良U字3本仕立て・側枝更新剪定」を導入すると、上物収量、上物率、果実品質が向上する。また、作業空間の明るさ、広さが良好になるとともに、収穫する果実が発見しやすくなるなど、作業の快適性が飛躍的に向上する。

[キーワード]夏秋ナス、改良U字仕立て、側枝更新剪定、生産性、快適性

[担当]山梨総農試・栽培部・野菜科、企画環境部・企画経営科
[連絡先]電話0551-28-2496
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・総合研究、野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 山梨県の夏秋ナス栽培の仕立て法は「V字3本仕立て」が主流であるが、秋期には上物率や果実品質が低下する傾向にある。また、通路内部の作業空間が暗く狭いため圧迫感が強い。そこで、これまで新草姿管理技術として開発してきた「改良U字3本仕立て・側枝更新剪定」を用い、生産性、果実品質、作業の快適性の向上を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 新草姿管理技術の「改良U字3本仕立て・側枝更新剪定法」は、ナスの主枝3本を支柱に沿って振り分け(2本と1本を交互に)誘引し、側枝は花直上の摘心を行いながら果実の収穫と同時に随時切り戻す方法である(図1、2003年度成果情報)。
2. 新草姿管理技術を用いて夏秋ナスを栽培すると、安定して1.0t/a以上の上物収量が得られ、上物率も慣行栽培の「V字3本仕立て」と比べ20%以上向上する(表1)。
3. 収穫果実は、慣行栽培と同等の糖度(Brix)や果皮硬度を有し、果皮色は赤みが少なく均一となる(データ略)。
4. 作業空間は慣行区の約1.4倍(上部空間では約3.8倍)の広さになる。また、通路内部まで光が入るため作業空間は明るい(図1)。
5. 作業時に通路を移動する際に、顔や頭部へ枝・葉が接触する頻度が、慣行栽培と比べて1/10程度になる(データ略)。
6. 収穫作業時は慣行栽培と比べ、大幅に果実を見つけやすくなる(図2)。
7. 年間の作業時間は、収穫作業で増えた時間を選別作業で削減できる。また、誘引・摘心作業が新たに加わるため全体では約15%増加する(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 改良U字仕立てを行うためには、キュウリ・インゲン用の支柱が必要となる。主枝の誘引作業は8月上旬頃まで行う。側枝・2次側枝の花直上の摘心作業や老化葉の除去作業は9月中旬頃まで行う。
2. 2003年は冷夏、2004年は猛暑であり、両年の平均気温や日照時間には大差があったが(データ略)、収穫量は気象条件に大きく影響されない。2004年は台風が多かったことから、傷果が多発しクズ果割合が高かった。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:新しい省力・快適化生産技術の実用性評価
予算区分:地域基幹
研究期間:2003~2004年度
研究担当者:赤池一彦、大久保 樹、五味亜矢子、對木啓介

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