トマトの環境保全型養液栽培における有機物培地連用の影響


[要約]
環境保全型養液栽培システムに用いられるクリプトモス成型培地は、連用に従い気相率および固相率が低下し、CECは高くなる。収量は連用2年目を過ぎると減少し、5年目では約10%の減収となる。

[キーワード]トマト、養液栽培、有機物培地、培地連用

[担当]栃木農試・園芸技術部・野菜研究室
[連絡先]電話028-665-7142
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・総合研究、野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 環境保全型養液栽培システムで使用する有機物培地は、杉樹皮で作られたクリプトモス成型培地のため、連用により物理性や化学性が変化することが予測される。そこで、促成栽培での連用年数が生育、収量および培地の物理・化学性等に及ぼす影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 9月播種の促成栽培においてクリプトモス成型培地を連用すると、気相率および固相率が低下し、液相率は高くなり保水性が増す。また、連用により培地底面に前作までの根が増加するため、透水性も低下する(図1、一部データ略)。
2. CECは連用するほど明らかに高くなる(図2)。
3. 培地内養液ECは、1から3年目まではほぼ同様に推移するが、5年目では3年目までの培地よりいずれの時期も高く推移する。培地内養液pHは、いずれの培地も栽培の進展に伴い増加する傾向を示し、連用年数が多い培地ほど高い(図3)。
4. 第1および3花房下の茎径は、1年目の培地が2年目以降のものよりやや劣るが、第5花房以降では差がない。収量は2年目の培地が最も多く、3年目以降は低下し、5年目では2年目の約90%となる。培地の連用年数と品質および糖度との間には一定の傾向は認められない(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 5年目以降の培地は気相率、固相率等物理性や透水性の低下、培地内養液EC、pHの高まりによる減収が予測されるため、培地を更新することが望ましい。
2. 品種は「ハウス桃太郎」で、9月上旬播種の促成栽培である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:草姿管理等による施設を中心とした果菜類の省力・快適化生産技術の確立
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:2000~2004年度
研究担当者:中山千知、石原良行

目次へ戻る