てん茶の点滴施肥栽培におけるかん水制御方式の導入


[要約]
愛知県が開発したかん水制御装置は、土壌水分を設定通りに制御でき、茶園の水分動態を把握することができる。また点滴施肥栽培にpF制御方式を組み合わせた栽培体系により、従来より水量を低減することができる。

[キーワード]てん茶、点滴施肥、土壌水分、かん水、pF制御

[担当]愛知農総試・東三河農業研究所・茶業グループ
[連絡先]電話0532-61-6235
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・総合研究、茶業
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 てん茶の点滴施肥栽培は、収量・品質を維持しながら窒素の施肥削減を図る上で有効であることを2001年に発表した。本県の点滴施肥法は、毎日2~4m3/10aのかん水施肥を行う。そこで、水量を節約するために水分センサを備えたかん水制御装置(図1)を導入し、その効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 本装置はテンシオメータにより土壌水分張力(pF)をリアルタイムで測定し、設定pF値に達すると自動的に点滴かん水を行う。このため設定pF値を超えることはない。
2. 1日1回1m3/10aのかん水施肥に加え、土壌乾燥時(pF2.0)に1回0.5m3/10aのかん水を行う設定(pF制御区)とすると、茶園樹冠下の土壌水分状態は常にpF2.0以下の水分域で維持される(図2)。
3. pF2.0以下で維持されたpF制御区の収量及び品質は、従来の点滴施肥栽培(かん水施肥1日4m3/10a)と比較して遜色がない(表1)。
4. かん水施肥にかん水を加えた年間累積水量は、pF制御区が272m3となり、従来の点滴施肥栽培1060m3より著しく少なくなる(表1)。
5. 7月~9月の本装置の作動回数は2003年と2004年で差がみられ、降水量の変動に対応ができる(図3)。
6. 以上の結果、点滴施肥栽培にかん水制御方式を導入することは、従来の施肥削減に加えてかん水量の低減にもつながる。

[成果の活用面・留意点]
1. 点滴施肥は尿素を主体とした複合液肥(12-5-7)を用いる。慣行区はなたね粕、有機配合、硫安をうね間に施肥・中耕し、無かん水とした。
2. かん水制御装置(含むテンシオメータ)は26.3万円で市販されている。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:硝酸態窒素の環境基準化に即した茶生産システム
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:1999~2003年度
研究担当者:辻 浩孝、樋江井清隆、木下忠孝、榊原正典、滝本雅章

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