醤油用小麦「タマイズミ」の高タンパク質化安定栽培法


[要約]
醤油用として小麦「タマイズミ」の粗タンパク質含量12%を達成するには、灰色低地土の水田では、タマイズミ専用肥料666の基肥N1.2kg/a施用+出穂期後10日のN0.4kg/a追肥の体系が、黒ボク土の畑では、出穂期後10日のN0.4kg/a追肥が有効である。また、出穂期に止葉の葉色値が48以上(SPAD)であれば追肥を省くことができる。

[キーワード]コムギ、タマイズミ、醤油用、追肥、粗タンパク質含量

[担当]]栃木農試・作物経営部・作物品種開発研究室
[連絡先]電話028-665-7076
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田畑作物
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 栃木県で2002年に奨励(認定)品種に採用した小麦「タマイズミ」は、2004年産で県内に178haの作付があり、醤油用として実需者からの要望も強いことから、さらに作付面積の増加が見込まれている。
 醤油用として求められる品質は、原粒粗蛋白質含量12%以上(目標値は13.5%以上)であることから、安定してこの値を達成するための栽培法を検討した。

[成果の内容・特徴]
1. 収量及び粗タンパク質含量は、水田(中粗粒灰色低地土)よりも畑(表層多腐植質黒ボク土)で高い(図123)。
2. 水田での「タマイズミ」慣行の粗タンパク質含量は8.7~10.8%であり、基肥多肥は多収になるが、粗蛋白質含量の増加効果は認められない。タマイズミ専用肥料666基肥N1.2kg/a施用(速効成分:LP40:LPS40=7:1:8)または出穂期後10日のN0.4kg/a追肥によって粗蛋白質含量は1~2%増加できる。さらにタマイズミ専用肥料666基肥N1.2kg/a施用+出穂期後10日のN0.4kg/a追肥の組合せ施肥体系で2~4%増加でき、粗タンパク質含量12%を達成することが出来る(図1)。
3. 畑での「タマイズミ」の粗タンパク質含量は11.8~14.3%であり、水田より明らかに高くなる。また、水田よりも年次間差も大きい。畑での試作肥料の効果は水田よりも少なく、倒伏程度が大きくなる危険性がある。出穂期後10日のN0.4kg/a追肥によって1%程度増加でき、粗蛋白質含量12%以上を達成することが出来る(図1)。
4. 出穂期後10日のN0.4kg/a追肥や試作肥料の基肥施用、またこの組合せでは倒伏の助長は認められないが、出穂期後10日追肥により、粒の充実が良くなるため外観品質が向上する。(23)。
5. 出穂期に止葉の葉色が48(SPAD値)を上回っていれば、粗蛋白質含量12%を達成できることから、出穂期後10日の追肥を省くことが可能である(図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 基肥量は、土壌の種類・田畑の別・前作等を考慮し加減する。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:醤油用小麦の品質向上栽培法の確立
予算区分:県単
研究期間:2001~2003年度
研究担当者:池田二朗、伊澤由行、山口正篤、湯澤正明、青沼伸一

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