集合花房の黒化率と開花最盛期後の積算気温によるそば収穫期の判定


[要約]
そばの収穫期は、主茎頂部の集合花房の黒化率を指標として判定することができる。品種や作期、栽培地にかかわらず、開花最盛期後の積算気温は、黒化率を判定する時期の目安となり、黒化率80%(成熟期)では450~500℃程度である。

[キーワード]開花最盛期、黒化率、集合花房、積算気温、ソバ、適期収穫

[担当]長野中信試・畑作育種部
[連絡先]電話0263-52-1148
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田畑作物
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 良質なそばを安定的に生産する上で、適期収穫は極めて重要である。そばでは、成熟した子実の割合(黒化率)を指標として収穫期の判定を行っているが、群落全体の黒化率を把握する統一的な調査基準がないため、年次や観察者による判定のバラツキが大きく、判定の難しさや判断の遅れにつながっている。そこで、品種や作期に対して汎用性があり、現場で簡易に利用できるそば収穫期の判定技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
1. 主茎頂部の集合花房の黒化率は、そば群落の黒化率とほぼ同等であり、この黒化率によって群落全体の黒化率を推定できることから、そばの収穫期は、主茎頂部の集合花房の黒化率を指標として判定することができる(図1)。
2. そば群落の黒化率と開花最盛期後の積算気温との間には高い正の相関が認められ、品種や作期、栽培地にかかわらず、開花最盛期後の積算気温が黒化率を判定する時期の目安となる。適期収穫のための登熟積算気温の目安は、黒化率60%(刈り取り後に島立て乾燥を行い、追熟を図る体系の収穫適期)が350~400℃程度、80%(成熟期、コンバイン収穫が始められる時期)が450~500℃程度である(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 2倍体の無限伸育性品種(信濃1号、しなの夏そば等)を対象にした収穫期の判定技術として、長野県下全域に普及する。
2. 開花最盛期とは、全株数の約50%の株で主茎最先端の花房の開花を認めた日のことであり、開花の揃いが著しく悪い圃場や播種適期から極端にはずれた栽培等では、判定が難しい。
3. 生育量が少ないそば(極端な痩せ地での栽培等)では、成熟の進み方が速く、登熟積算気温が短くなる傾向があるので、早めに黒化率の確認を行うことが望ましい。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:そばの栽培法改善試験
予算区分:県単
研究期間:2002~2004年度
研究担当者:村山 敏、矢ノ口幸夫、松永 啓

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