稲発酵粗飼料としてのクサホナミの収穫適期とその判断指標


[要約]
稲発酵粗飼料としてのクサホナミの収穫期は出穂後約25日以降、出穂後積算気温700℃~750℃以降、籾水分35%以下、黄化籾率60%以上である。サイレージ品質は成熟期後も良好であるが、TDN収量は成熟期頃に最も多収となる。

[キーワード]稲発酵粗飼料、収穫適期、黄化籾率、TDN収量、クサホナミ、粗飼料

[担当]三重科技セ・農研・作物グループ
[連絡先]電話0598-42-6359
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田畑作物、畜産草地(草地)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 稲発酵粗飼料は収量と品質を高めるため黄熟期に収穫することが指導されている。しかし、黄熟期の判断が不明確であることから生産現場において収穫適期の判断が曖昧となっている。さらに、黄熟期以降の収量、品質に関する知見は少ない。そこで、飼料イネ専用品種クサホナミを用いて稲発酵粗飼料の多収・高品質となる収穫時期を確認するとともに、収穫開始時期の判断指標を作成する。

[成果の内容・特徴]
1. クサホナミを稲発酵粗飼料として利用する場合、黄熟中期にあたる出穂後25日頃においてサイレージ品質を示すV評点が80以上の良好な品質となり、さらに成熟期で最もTDN収量が多収となる。成熟期を過ぎても品質は維持されるが、籾の脱粒等によってTDN収量は低下する(図1)。
2. 登熟過程における茎葉水分の低下程度は小さく成熟期においても65%の水分がある。しかし、籾水分は登熟が進むにつれ低下し、収穫適期となる出穂後25日頃には35%程度となり、全体の水分はサイレージに適するとされる60%以下となる。なお、成熟期を過ぎると籾の脱粒が増加するため全体水分の低下は小さい(図2)。
3. これらのことから、稲発酵粗飼料の収穫は黄熟中期から成熟期に行うことが可能である。黄熟中期の特徴は、上位枝梗籾の80%程度、下位枝梗籾の50%程度、または全体籾の60%程度が黄化し(図3)、出穂後積算気温が700℃~750℃である(図表略)。
4. クサホナミより籾ワラ比が低いはまさりは、籾水分の低下に対して全体水分が低下しにくいが、良好なサイレージ品質が得られる黄化籾率はクサホナミとほぼ同等の60%程度であるため、黄化籾率の指標は他品種へも利用ができると考えられる(図4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 成熟期の籾は未消化によるTDNの損失が発生しやすいため、磨砕等の処理を行うことが望ましい。
2. 収穫適期であっても、水や泥が付着すると品質が低下するため、降雨直後の収穫は避け、土砂が混入しないように注意を払う必要がある。
3. 材料イネは地上部高約10cmで収穫して調査に用いた。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:飼料イネに対応した省力的生産・調製・利用技術の確立
予算区分:地域基幹農業技術体系化促進研究、県単経常
研究期間:2003~2004年度
研究担当者:神田幸英、中山幸則、平岡啓司(畜産研究部)

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