露地野菜9品目17作型の窒素吸収特性に基づく窒素施用法


[要約]
スイートコーン、ホウレンソウ、レタス、ラッキョウ、ダイコン、コカブ、ゴボウ、サトイモ、ショウガの9品目17作型では、施肥法の改善により施肥窒素利用率の向上が期待できる。窒素吸収特性(目標総収量に対応した窒素吸収量、無窒素区の窒素吸収量及び向上した施肥窒素利用率)に基づいた窒素施用量は、多くの品目・作型で旧施肥基準の80%以下である。

[キーワード]露地野菜、窒素、施肥法、施肥窒素利用率

[担当]千葉農総研・生産環境部・土壌環境研究室、生産技術部・野菜研究室、生産工学研究室、北総園芸研究所・畑作園芸研究室、砂地野菜研究室、東総野菜研究室
[連絡先]電話043-291-0151
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 平成11年に公共用水域の環境基準項目に「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」が追加され、汚染原因の一つとして農耕地への過剰施肥が指摘されている。そこで、県内の露地野菜を対象に、安定的な収量を確保しつつ施用窒素の環境負荷を最小限に抑えた窒素施用法を、野菜の窒素吸収特性に基づいて明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. スイートコーン、ホウレンソウ、レタス、ラッキョウ、ダイコン、コカブ、ゴボウ、サトイモ、ショウガは、収穫期における植物体全体の窒素吸収量の増加とともに総収量が増加する。目標総収量に対応した収穫期窒素吸収量は、表1に示すとおり、品目及び作型によって異なる。
2. 無窒素区窒素吸収量は砂質土が1.6~2.5kg/10aと低く、黒ボク土は2~15kg/10aと高い(表1)。黒ボク土の場合、根菜類の無窒素区窒素吸収量は目標総収量に対応した窒素吸収量の50%以上である。可給態窒素含量が高い圃場では、ダイコンのように無窒素区窒素吸収量が目標総収量に対応した窒素吸収量を上回ることがある。
3. 標準窒素施用量での施肥窒素利用率は12~53%であり、生育期間が低温となる、秋冬どりホウレンソウ、トンネル冬どりレタス、軟化ラッキョウ、トンネル冬どりコカブでは12~35%と低い(表1)。施肥法の改善(表2Bの好適な窒素施用法・施用量)により、施肥窒素利用率の向上が期待できる。
4. 目標総収量に対応した窒素吸収量、無窒素区の窒素吸収量及び向上した施肥窒素利用率から、以下の式により求めた窒素吸収特性に基づく窒素施用量は表2Aのとおりである。
5. 窒素吸収特性に基づく窒素施用量及び生育・収量調査の結果から求めた、安定的な収量を確保しつつ施用窒素の環境負荷を最小限に抑えた好適な窒素施用法・施用量は表2Bのとおりである。この好適な窒素施用量は、秋冬どりホウレンソウ、トンネル冬どりレタス、軟化ラッキョウ、夏どりコカブを除いて、旧施肥基準の80%以下である。

[成果の活用面・留意点]
1. 各品目・作型の好適な窒素施用量は、表1に示した土壌及び窒素肥沃度に対応したものである。
2. 収穫期の土壌に硝酸態窒素が残存する場合(スイートコーン、ホウレンソウ、レタス、ダイコン、トンネル冬どりコカブ、普通掘りサトイモ、ショウガ)には、次作に硝酸態窒素を吸収させるような作付体系を取り入れることが望ましい。
3. この成果は、平成16年3月に改訂された本県新施肥基準に活用されている。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:主要露地野菜の安定生産のための窒素施用法の確立
予算区分:県単(緊急技術開発促進事業)
研究期間:1999~2002年度
研究担当者:斉藤研二、八槇敦、鈴木秀章、桑田主税、崎山一、川城英夫、長島正、草川知行、鈴木健司、安藤利夫、猪野誠、福田寛、高野幸成、古川雅文、吉田俊郎、浅野清一郎、松尾多惠子、安西徹郎

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