水田を通過する用水の水質変化の実態


[要約]
移植から20日以降の水田で、全窒素濃度は水尻および暗渠排水で低下する。リン酸濃度は移植20日以降、継続して水尻で上昇し、その程度は灰色低地土水田で、また、時期が早いほど大きい。カリウム濃度は移植20日後、水尻で上昇する。

[キーワード]水田、水質浄化、全窒素、リン酸、カリウム

[担当]栃木県農試・環境技術部・環境保全研究室
[連絡先]電話028-665-7148
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 水田の多面的機能のひとつである水質浄化機能を評価する。そこで、移植から20日以降の水田の水質を広域的に調査し、用水の水田通過による栄養塩類の濃度変化の実態ならびに黒ボク土水田および灰色低地土水田での違いを明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 全窒素濃度は、黒ボク土水田および灰色低地土水田とも、水尻流出水、暗渠排水で低下する(図1)。
2. リン濃度は、黒ボク土水田、灰色低地土水田ともに水尻流出水で上昇し、その程度は灰色低地土水田で、また、時期が早いほど大きい(図1)。
3. カリウム濃度は、黒ボク土水田および灰色低地土水田とも、移植20日後に水尻流出水で上昇する。暗渠排水では、いずれの時期も用水よりやや高い(図1)。
4. ECは、黒ボク土水田および灰色低地土水田とも、用水より水尻流出水で低下し、暗渠排水で上昇する(図1)。
5. 用水、水尻流出水および暗渠排水の水質は、4種の因子に整理される(表2)。カルシウム、マグネシウムおよびケイ酸濃度の寄与が大きい第1因子ならびに硝酸態窒素の寄与が大きい第4因子によって採水部位の特徴が示される。つまり、水田面を通過することでカルシウム、マグネシウム、ケイ酸および硝酸態窒素が減少し、また地下へ浸透することで硝酸態窒素が減少する(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 水田の持つ水質浄化機能を評価するための基礎資料とする。
2. 農業用水の水質が国内河川水の平均値と同程度の水田地域に適用する。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:水田の水質浄化の実態
予算区分:県単
研究期間:2001~2003年度
研究担当者:宮崎成生、鶴野樹々子、岩崎慎也、亀和田國彦

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