希硫酸抽出性炭素量による生ごみ堆肥の腐熟度評価


[要約]
給食残さ、魚あら等を主原料とする生ごみ堆肥に希硫酸を加えて抽出される炭素量(希硫酸抽出性炭素量)は、腐熟の進行と共に減少する。また、従来のC/N比やECによる評価よりもコマツナの発芽率との間で相関が認められ、希硫酸抽出性炭素量が多い腐熟程度では資材施用量が多いほどコマツナの生育が劣ることから腐熟度指標として有効である。

[キーワード]生ごみ、腐熟度評価、抽出性炭素量、コマツナ発芽率、堆肥

[担当]石川農研・生産環境部・土壌環境科
[連絡先]電話076-257-6974
[区分]関東東海北陸農業・北陸・生産環境
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 生ごみリサイクルの推進や食品リサイクル法の整備により生ごみを堆肥化して農業生産に利用することが望まれている。本県の加賀市において学校給食残さ、魚あら等を回収し堆肥化することが試みられているが、生ごみ堆肥の腐熟度判定のための指標が確立されていないため堆肥の利用が進んでいない。そこで、加賀市の生ごみ堆肥について、希硫酸によって抽出される炭素量(希硫酸抽出性炭素量)を指標とした腐熟度評価の妥当性を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 堆肥の風乾物に10~20倍量の0.2M硫酸を加え室温で1時間振とうして抽出し、チューリン法で測定した炭素量を希硫酸抽出性炭素量とする。
2. 生ごみを主原料(給食残さ:魚あら:籾がらを重量比で2:1:1)とし発酵させると、堆肥化日数の経過とともに希硫酸抽出性炭素量は減少しコマツナ発芽率の上昇と一致する(図1)。
3. 堆肥化過程でサンプリングした堆肥中の成分とコマツナ発芽率との関係では、C/N比やECの間で相関はほとんど認められないが、希硫酸抽出性炭素量との間では相関が高い(図2)。
4. コマツナのポット栽培試験において、希硫酸抽出性炭素量が多い腐熟程度では資材の施用量が多いほどコマツナの生育が劣る。一方、堆肥化102日目の資材では施用量が増すほど生育は優ることから腐熟程度は高いと考えられ、その時の資材中希硫酸抽出性炭素量は1000mg/100g以下である(図3)。
5. 以上より、希硫酸抽出性炭素量は生ごみ堆肥の腐熟度指標として有効であり、資材中の希硫酸抽出性炭素量が1000mg/100g以下であれば腐熟程度は高いと考えられる。

[成果の活用面・留意点]
1. ポット栽培試験は細粒黄色土(石川農研圃場)での結果であり、作物の生育程度は土壌によって異なる。
2. 抽出液の選定は、土壌の可給態窒素の推定法(松本ら、土肥誌、2000)を参考にした。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:生ごみ堆肥の品質評価法の確立
予算区分:国補
研究期間:2001~2004年度
研究担当者:畑中博英

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