ウメ園から生ずるせん定枝チップおよびチップ堆肥の表面散布条件下での分解


[要約]
ウメ、サンゴジュのせん定枝チップおよびウメチップ堆肥を表面散布すると、7か月後の乾物残存率は60%、57%および90%となる。ウメおよびサンゴジュチップでは約40%が分解され、ウメチップ堆肥では10%が分解される。

[キーワード]ウメ、サンゴジュ、せん定枝、チップ、表面散布、乾物残存率、分解

[担当]福井園試・営農環境研究グループ
[連絡先]電話0770-32-0009
[区分]関東東海北陸農業・北陸・生産環境
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 ウメの生産安定には有機物による土づくりが重要である。ウメ園は大部分が傾斜地にあり、稲ワラの確保が困難であることや高齢化による労力の不足などによって、有機物を園内に搬入して施用することが少なくなってきている。そこでウメおよび防風垣として植栽されているサンゴジュのせん定枝のチップ、ウメチップ堆肥をマルチング資材として表面散布するときの分解過程について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. ウメのせん定枝のチップ(以下、ウメチップと略)、およびサンゴジュのせん定枝のチップ(以下、サンゴジュチップと略)の全窒素、C/N比はそれぞれ0.59%、76、および0.42%、105である。またウメせん定枝チップの堆肥(以下、ウメチップ堆肥と略)の全窒素は1.82%、C/N比は22である(表1)。
2. 有機物の表面散布によって、ウメ、サンゴジュのチップおよび稲ワラでは全窒素含有率が増加する(図1)。ウメ、サンゴジュのチップおよび稲ワラのC/N比は大きく低下し、いずれも7か月後では30前後になる。しかしウメチップ堆肥のC/N比はほとんど変化しない(図2)。
3. ウメおよびサンゴジュチップの乾物残存率は散布2か月後から急激に低下し、7か月後では59.6%、56.7%である。ウメチップ堆肥では残存率の低下が小さく、モミガラと同程度であり、7か月後での乾物残存率は89.6%である。稲ワラの乾物残存率はほぼ直線的に低下し、7か月後では40.1%である(図3)。
4. 有機物の分解率を乾物残存率でみると、4月~11月の7か月間で、ウメおよびサンゴジュチップの分解率は40.4%~43.3%であり、ウメチップ堆肥の分解率は10.4%である。
5. ウメ園から生ずるせん定枝チップおよびチップ堆肥は有機質資材として利用することができる。

[成果の活用面・留意点]
1. ウメ園において、せん定枝チップを表面散布する際の参考にする。
2. チップ等の有機物は市販のお茶パックに入れて、プランター中の土壌表面に静置し、6月と9月に施肥(プランターあたり窒素1g)した。チップおよびチップ堆肥の大きさは1mmから5mmの部分を用いた。また稲ワラは上から3節の上部約10cmの葉鞘を含む茎である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:ウメ栽培における減農薬とせん定枝等園内未利用資源の活用技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2001~2005年度
研究担当者:栗波哲、福島朋行

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