牛における竹粉の飼料特性と栄養価


[要約]
発芽当年の孟宗竹を常温生竹微粉砕機により500μm以下に粉砕した竹粉は粗繊維と可溶無窒素物の割合が高い。難消化性繊維成分が多いため消化率は低く、蒸煮処理した孟宗竹に比べ栄養価も低い。竹粉給与によるルーメン発酵および血液生化学成分への悪影響はみられない。

[キーワード]孟宗竹、常温生竹微粉砕機、飼料特性、栄養価、竹粉、肉用牛

[担当]静岡畜試・肉牛部
[代表連絡先]電話0544-52-0146
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(大家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 現在、農地の環境保全問題として放任竹林対策が急務となっている。これまで木質系資材の有効利用の一つとして家畜の飼料化が検討されてきたが胃壁損傷や蒸煮コストなどから普及には至らなかった。近年、生竹を500μm以下のパウダー状に粉砕する機械が開発され、胃壁損傷の危険性を回避することが可能となった。そこで、反芻家畜を用いた竹粉の消化試験を行い、栄養価、ルーメン発酵、血液成分への影響について調査し、竹粉の家畜飼料としての有効性について検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 竹粉の一般成分は、ほとんどが粗繊維および可溶性無窒素物で、その他の成分はわずかであり、難消化性繊維の割合が高い(表1)。
2. ホルスタイン種去勢牛4頭を用いた消化試験では、竹粉の各成分の消化率は低く、栄養価は可消化養分総量(TDN)が25.3%で、蒸煮処理した孟宗竹の栄養価より低い(表2)。
3. 竹粉給与によるルーメン内のVFA組成等に影響はみられない(表3)。
4. 竹粉給与による血液生化学成分に影響はみられない(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 生竹粉を牛の飼料として利用する場合の参考値となる。
2. 微粉砕した生竹は常温ではカビが発生しやすいことから、必要量ずつ粉砕するか冷蔵保存する必要がある。また、竹粉の生産コストは5.4円/kg(竹の伐採・搬入コストは含まない)と試算される。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:竹粉の飼料利用に関する研究
予算区分:県単
研究期間:2003~2005年度
研究担当者:室伏淳一、野田準一、深澤修、三宅晃次

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