チャの光独立栄養培養法を用いた培養苗の順化法


[要約]
従属栄養培養植物体を高濃度の炭酸ガス濃度と光照射条件下で培養する、光独立栄養培養法を利用することにより芽の伸長と発根が優れた苗を養成でき、順化後の生育と生存率は遮光することにより高まる。

[キーワード]チャ、培養苗、順化、炭酸ガス、光独立栄養培養法

[担当]静岡茶試・育種研究
[連絡先]電話0548-27-2311
[区分]関東東海北陸農業・茶業
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 チャの組織培養を用いた試験管内挿し木法で大量増殖が可能とされているが、試験管内から屋外に出す際の環境ストレスに強い培養苗生産技術が確立していない。
 そこで、糖類を使用しないで高濃度の炭酸ガスと光照射による光独立栄養培養法を用いて、チャの培養植物体の発根・順化に適した条件を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 光独立栄養培養法において、チャ従属栄養培養植物体から調整した挿し穂(長さ20mm、葉数4~5枚)を炭酸ガス濃度2500ppm、PPF(光合成有効光量子束)63~253μmol m-2 s-1の条件下で60日間培養すると、苗の伸長と発根が優れる。
2. 上記の方法で養成した光独立栄養培養苗の順化後の生育及び生存率は、遮光率50%の黒寒冷紗で遮光することにより高まる。

[成果の活用面・留意点]
1. 光独立栄養培養法で育苗した培養苗は順化時の生存率が高いことから、プラグ苗の作成やバイオナーサリーシステムなどへ応用できる。
2. この培養法は糖類を使用しないため培養及び順化中の雑菌汚染の危険性が少ない。また、寒天等の支持材を使用しないため培養苗と培地の分離が容易である。
3. 今後は、培養後の苗の均一性や発根率を高めることが必要である。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:光独立栄養培養法による苗生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2003~2005年度
研究担当者:西川博

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