シクラメンの光合成速度の簡易測定法とそれによる光合成特性 |
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| [要約] |
シクラメンの株当たりの光合成能力を評価する手法としてチャンバー法を用いてCO2の変化量を測定することで精度良い測定が可能である。明条件下でも花は呼吸器官であり、10000 lxの照度条件下では花1本を維持するのに2枚の葉が必要となる。 |
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[キーワード]シクラメン、光合成、測定法、チャンバー法 |
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[担当]三重科技セ・農業研究部・園芸研究課
[代表連絡先]電話:0598-42-6354
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・参考 |
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| [背景・ねらい] |
日持ち性の良いシクラメンは消費者のニーズであるが、一般家庭で低照度、高温条件の室内に置かれた場合、急速に観賞価値が低下することが知られている。これは光合成量より呼吸量が上回ることで株の消耗が生じるためであると考えられる。しかし、シクラメンの光合成能と日持ち性との関係については未解明である。 そこでシクラメンの光合成能力を評価するためのチャンバー法の適応の可能性と基礎的な光合成特性を明らかにする。
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![]() [成果の内容・特徴] |
| 1. |
株全体の光合成能力を安定的に測定するため、図1に示すチャンバー法を用いた。チャンバーは厚さ3mmの透明アクリル板で作成した40cm×40cm×60cm、有効体積96Lの密封可能なチャンバーであり、空気の撹拌ためのファンとガス採取時に陰圧を防止するための空気バッグを備えている。吸引採取したチャンバー内ガス中のCO2の測定は、非分散赤外線吸収式検出器で行い、15分間の吸収変化量を測定する(図1)。 |
| 2. |
市販の光合成蒸散測定装置は、葉を挟み込むプローブを用いて葉一枚の面積当たりの光合成量を測定するが、シクラメンのように葉が小さく、また葉数が多い場合、同一株でも葉毎の能力の幅が大きく、株全体の光合成能を評価することが難しい。一方、本チャンバー法は株全体の能力を評価できる上に繰り返し精度が高い(表1)。 |
| 3. |
平均的な株(葉数75枚、花数15本)の光合成能力は、照度約2000lx以上で光合成量が呼吸量を上回る。この株から花を除くと各照度で平均的に0.5mmol光合成量が上昇することから花は照度に係わらず呼吸器官である(図2)。 |
| 4. |
照度10000lxにおいて葉1枚当たりの光合成量は0.0148mmol/15minであり、花1本は-0.0334mmol/15minである。すなわち花1本を維持するために葉2枚が必要となる(表2)。 |
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![]() [成果の活用面・留意点] |
| 1. |
チャンバー法では湿度の調整ができない問題点がある。 |
| 2. |
本法では土壌及び根部の呼吸量は無視できる程小さい値であったが、有機物の多い用土を用いた場合等では別途測定する必要がある。 |
| 3. |
チャンバーの密封時間は本条件では15分としたが、チャンバー内のCO2濃度が低下すると光合成速度が低下するため、フラックスの採取時間は、チャンバー内のCO2濃初期濃度の50%以下にならない条件で行うことが望ましい。 |
| 4. |
10000lxは、おおよそ冬期晴天時に南向きの部屋の窓際に鉢を置いた場合の昼間の平均照度に相当する。 |
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[具体的データ]
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![]() [その他] |
研究課題名:三重県産シクラメンの日持ち保証等高品質化のための生産技術の開発
予算区分:県単
研究期間:2004~2006年
研究担当者:原 正之、西山富紀子、鎌田正行
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