切花用バラ新品種「エクラン(仮称)」の育成


[要約]
バラ品種「エクラン(仮称)」は、既存品種の中では数少ない鮮紅色の花色を有する。切花長は70cm以上、花弁数は40枚以上で、生産性や日持ち性、うどんこ病抵抗性についても対照品種と同等であり、産地オリジナルのアーチング栽培向け切花用品種として活用が期待できる。

[キーワード]バラ、切花、品種、「エクラン(仮称)」

[担当]岐阜県農技セ・花き部
[代表連絡先]電話:058-239-3132
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
現在、バラ切花は、国内のみならず海外との競争が激化しており、産地オリジナル品種による差別化は、産地強化の有力なツールとなっている。このため、岐阜県オリジナルのバラ品種を育成し、県内バラ産地の活性化とブランド力強化を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 平成10年に「トボネ(種子親)」×「レーザー(花粉親)」により交配を行い、平成11年に一次選抜を行った。平成12~18年に生育特性や生産性等について調査を行い、有望な1系統(系統番号:99-280-1)を選抜した。平成19年に「ノブレス」及び「セレナ」を対照品種として品種登録出願のための特性調査を行った。同時に現地試作を行って有望性を確認し、育成を完了した(図1)。
2. 花弁表面の花色は鮮紅で褪色は少ない(表1)。花形は半剣弁高芯咲き、花弁数は40枚以上、花径は10cm以上の大輪咲きとなる(表1図2)。開花速度が遅いため観賞可能日数が長い(表1)。
3. 切花長は、ロックウール・アーチング栽培において70cm以上となるが、対照の2品種に比べてやや短く、コンパクトな樹形となる(表1)。
4. 収量は対照の2品種とほぼ同等である。また、うどんこ病抵抗性も対照品種と同程度であることから、一般的な切花用品種と同等の生産性を有している(表1)。
5. 切り上げ栽培では、細く短い切花となり易いため、アーチング栽培を行う(表2)。細い芽が発生し易いため、適宜、芽の整理を行う。

[成果の活用面・留意点]
1. 棘数が多いため、栽培管理や収穫後の取扱いに留意する。
2. 「エクラン(仮称)」は品種登録出願中(出願公表済)である。また、県外への許諾は検討中である。

[具体的データ]
図1「エクラン(仮称)」の育成過程
図2 「エクラン(仮称)」と対照品種の比較
 表1 「エクラン(仮称)」の特性
表2 栽培方法が異なる場合の「エクラン(仮称)」の切花特性

[その他]
研究課題名:バラの新品種育成
予算区分:県単
研究期間:1998年~2008年度
研究担当者:三輪俊貴、加藤克彦、雨宮剛
発表論文等:平成20年8月6日付け品種登録出願番号第22812号
       (http://www2.hinsyu.maff.go.jp/kouhyou/syutugan/contents/77syutugan.pdf

目次へ戻る