鶏卵の重量取引と個数取引の経済性評価による鶏種選定


[要約]
飼料要求率が同等でも、重量取引では産卵重量の多い鶏種がより多くの利益につながり、個数取引では飼料摂取量の少ない鶏種で利益が多く、鶏卵販売の流通形態により鶏種の評価が異なる。

[キーワード]採卵鶏、経済性、重量取引、個数取引

[担当]群馬県畜産試験場・中小家畜係 
[代表連絡先]電話:027-288-2222
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考 

[背景・ねらい]
鶏卵は農林規格により規格ごとに重量取引されていることから、産卵重量の多い鶏種が広く普及している。しかし、重量取引では規格によっては余剰卵が発生するため、近年では規格の異なる鶏卵(MS~LL)を1パックごとに定められた重量で詰めた流通形態(定重量パック)が増えつつある。この流通形態は鶏卵の個数取引であり、規格は異なっても鶏卵1個当たりの価格は同一になる。そこで、県内で飼養されている主要な鶏種について、鶏卵の重量取引および個数取引における評価を行い、流通形態の違いによる採卵鶏の経済性について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 県内で主に飼養されている白色レグホーン系の採卵鶏4銘柄の産卵率、産卵重量、 平均卵重及び飼料摂取量は鶏種により異なるが、飼料要求率は同等である(表1)。
2. 重量取引による経済性では、飼料摂取量が多く、産卵重量が多い鶏種の利益が高い (表1)。
3. 個数取引として、MS~LL規格卵1個当たりに必要な飼料摂取量及び飼料費を算出した結果、産卵重量が小さくても飼料摂取量の少ない鶏種が最も飼料費が低く、利益(MS~LL規格卵以外は重量取引で算出)は飼料摂取量が多く産卵重量が多い鶏種よりも高い(表4)。
4. 以上のことから、鶏卵販売の流通形態により鶏種の評価が異なるため、これらを考慮し鶏種選定を行う。

[成果の活用面・留意点]
1. 採卵鶏経営の鶏種選定の一助として活用できる。
2. 個数取引では重量取引に比較し、産卵ステージにより規格卵のサイズ比率が異なる等を考慮する必要性は少なくなるが、平均卵重が定重量パックの平均卵重(今回は59.5g)よりも大きくなるほど不利(無駄)になる。
3. 供試鶏は、2008年4月餌付けのジュリア、バブコックB400、ハイラインマリア、ジュリアライトの4銘柄である。
4. 重量取引では余剰卵がないことを前提に利益を算出しているため、個数取引より利益が高くなっている。

[具体的データ]
表1 産卵成績
表2 飼料の利用性及び生存率
表3 重量取引による経済性
表4 個数取引による経済性

(群馬畜試)

[その他]
研究課題名:鶏の経済能力検定
予算区分:県単
研究期間:2008~2009年度
研究担当者:後藤美津夫

目次へ戻る