既存機械を改良した家畜ふん堆肥の梱包・密封装置


[要約]
細断型ロールベーラの成形室に側圧板を取り付けた梱包装置と回転アーム式ラッピングマシンにベルトコンベア機構を組み込んだ密封装置を用いることで、家畜ふん堆肥を円筒状に梱包密封できる。 

[キーワード]家畜ふん堆肥、梱包密封、細断型ロールベーラ、ラッピングマシン

[担当]三重畜研・大家畜研究課
[代表連絡先]電話:0598-42-2029
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(畜産環境)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
一般に、家畜ふん堆肥はバラでの流通や袋詰め、あるいはフレコンバック等で流通されている。しかし、バラ流通の場合は輸送時のこぼれやかさばりによって輸送効率が低下すること、一方、フレコンバックにおいては圃場内での取扱いが困難で、積み込みや荷下ろしの作業時に危険を伴うこと等の問題が指摘されており、流通性や保管性に優れた家畜ふん堆肥の流通技術を開発する必要がある。そこで、飼料作物用作業機に改良を加えた家畜ふん堆肥の梱包・密封装置を開発し、その効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 家畜ふん堆肥の梱包装置は、細断型ロールベーラ成形室の左右側壁に着脱可能な厚さ5mmの鉄製の側圧板を取り付けたもので、ホイルローダで細断型ロールべーラのホッパ内に投入された家畜ふん堆肥を左右側壁から圧縮し、ネットで円筒状に梱包するものである(図1)。
2. 家畜ふん堆肥の密封装置は、回転アーム式ラッピングマシンにベルトコンベア機構を組み込んだものであり、梱包された家畜ふん堆肥をベルトコンベア装置で直接荷受け搬送した後、ラップフィルムで密封するものである(図2)。
3. 梱包装置および密封装置を併用することで、既存機械の組作業体系(梱包堆肥の搬送はフォークリフト、密封作業は自走式ラッパを用いた作業体系、例えば特開2007-169077 など)比べて、損失率が少ない高密度な梱包・密封堆肥の生産が可能であるとともに、作業時間も約1/4程度まで低減できる(表1図3)。
4. 家畜ふん堆肥を梱包・密封することで、積み重ね保管が可能となり置き場スペースを有効に活用することができる。また、ラップフィルムで密封することにより、運搬時のこぼれや汚物感、臭気の発生が抑制され、屋外保管も可能となる(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 家畜ふん堆肥の新たな流通方法を検討する際の基礎資料となる。
2. 本情報で用いた堆肥は牛ふん堆肥であり、水分含量が40%以下のものは梱包することができない。また、梱包・密封装置を稼働するためにはトラクタ(60PS程度)が2台必要である。

[具体的データ]
            図1細断型ロールベーラを改良した家畜ふん堆肥の梱包装置
図2回転アーム式ラッピングマシンを改良した家畜ふん堆肥の密封装置の概要
表1
図3梱包装置と密封装置による組作業および屋外保管と輸送の概略

(平岡啓司)

[その他]
研究課題名:家畜堆肥の梱包化技術と効率的散布技術の開発
予算区分:委託プロ(えさプロ1系)
研究期間:2006~2009年度
研究担当者:平岡啓司、川村淳也、吉村雄志

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