小型コチョウラン「山梨1号」、「山梨2号」、「山梨3号」(仮称)の育成


[要約]
生育の早い小型コチョウラン新品種として、ピンク白に明赤味紫の覆輪で芳香性がある「山梨1号」、小輪多花性で花色が明赤味紫の「山梨2号」、小輪多花性で花色が明赤味紫と淡紫ピンクの「山梨3号」を育成した。

[キーワード]育種、ファレノプシス、ドリテノプシス

[担当]山梨総農セ・高冷地野菜花き振興セ・花き応用育種科
[代表連絡先]電話:0551(25)6201
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
コチョウランは本県の鉢花生産額第1位の主要品目であるが、近年の市況の低迷や産地間競争に生き残るため、生産者からはオリジナル品種の育成が強く求められている。そこで、生育の早い小型コチョウランの作出を目指し、交配育種による新品種育成を行う。

[成果の内容・特徴]
1. 「山梨1号」はPhalaenopsis.violacea×Doritis.pulcherrimaの交配から育成した。特性は、 花弁が厚く、花径4cm程度の花を5~6輪つける。花色はピンク白で、ペタル部のみ 明赤味紫の覆輪となる。花には芳香性がある。4月~7月にフラスコ出しを行うと約1 2~15ヶ月で出荷できる(表1図1)。
2. 「山梨2号」はPhal.equestris×Dor.pulcherrimaの交配から育成した。花径3cm程度 の花を10輪程度つける。花色は明赤味紫である。フラスコ出しから約8ヶ月で出荷で きる。また株が充実すると花茎が同時に2本出る株や、花序が分枝する株が現れる(表1図2)。
3. 「山梨3号」はPhal.equestris×Dor.pulcherrimaの交配から育成した。花径3cm程度 の花を20輪程度つける。花色は明赤味紫でラテラルセパル部が淡紫ピンクである。  フラスコ出しから約12ヶ月で開花する。また株が充実すると花茎が同時に2本出る株 や、花序が分枝する株が現れる(表1図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 「山梨1号」「山梨2号」「山梨3号」は品種登録を行い、山梨県花き園芸組合連合会を通して生産者への普及を図る。
2. 「山梨1号」は温度処理による周年出荷は難しい。フラスコ出し時期や栽培温度、花茎切断などの開花調整により、9月の敬老の日出荷も可能である。
3. 「山梨2号」「山梨3号」は既存の栽培技術で開花調節が可能と考えられる。

[具体的データ]

(窪田浩一)

 
[その他]
研究課題名:小型コチョウランの新品種育成と栽培技術
予算区分:県単
研究期間:2006~2013年度
研究担当者:窪田浩一、雨宮圭一、加藤成二、藤木俊也、三宅ひろみ
発表論文等:品種登録出願公表(出願番号第23823号、23824号、23825号)2009年8月18日

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