夏秋系一輪ギク新品種「愛知夏黄2号(仮称)」の育成


[要約]
夏秋系一輪ギクの新品種「愛知夏黄2号(仮称)」を育成した。本品種は7~9月開花において到花日数が短く安定している、生育が旺盛で茎の伸長性が高い、無側枝性を有するため省力栽培が可能であるといった栽培特性を持ち、切り花の日持ち日数が長い。

[キーワード]一輪ギク、新品種、愛知夏黄2号(仮称)、夏秋系、黄色

[担当]愛知農総試・東三河農業研究所・花きグループ
[代表連絡先]電話:0532-61-6235
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
本県は全国一のキク産地であり、周年を通じて高品質の切り花を市場に出荷することが求められている。7~9月は盆、彼岸の需要期であるが、現在の夏秋系黄色一輪ギクは高温や長日による開花遅延や開花の不揃いにより計画出荷が難しく、また切り花の日持ち日数が短い。そこで開花が揃い、日持ちの良い夏秋系黄色一輪ギク新品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. 育成経過は2004年に草姿の良い県育成系統「02-J-33-89」を種子親、濃黄色の県育成系統「02-J-99-01」を花粉親とした交配を行った。得られた実生について開花調査及び現地試作による選抜を繰り返し、無側枝性を有し草姿と開花揃いの良い「04-J-18-3」を選抜した。「04-J-18-3」について2009年に営利生産規模の現地試作及び市場性評価を行った結果、7~9月のいずれの開花時期においても育種目標を達成しており、実用品種として有望と判断したので、2009年11月をもって「愛知夏黄2号(仮称)」として育成を完了した(図1)。
2. 7月開花では「精の輝」(以下、対照)より約8日早く開花し、開花揃いが良い。9月開花では対照と比べて約10日開花が早い。開花時の草丈は7月開花、9月開花とも対照より10cm以上高い。対照と比べて節数は5~10節少なく、70cm切り花重は8.5~12.2g軽いが、満開時の花径は0.4~1.3cm大きい(表1)。
3. 花は艶のある明黄色(JHSカラーチャートで2505明黄)で、花形が良く露芯、貫生花等の発生はない。葉には光沢があり、立ち葉で茎葉のバランスが良い。強い無側枝性を持ち、省力的に栽培できる(図2)。
4. 切り花の日持ち日数は、対照と比べ24日と10日長く、葉が黄化するまでの日数が長い(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 従来の品種に比べて到花日数が短く、開花揃いが良いため、特に7~9月の盆、彼岸といった需要期に向け計画的に切り花を出荷できる。
2. 本品種は平成22年6月7日に品種登録出願を行い、同8月25日品種登録出願が公表された。なお本品種は愛知県と愛知県花き温室園芸組合連合会きく部会との共同育成品種である。品種登録出願公表後1年間は愛知県外への栽培許諾は行わない。

[具体的データ]
図1「愛知夏黄2号(仮称)」の育成過程
図2「愛知夏黄2号(仮称)」  図3 切り花の日持ち日数(2009年9月、Iは±標準偏差)

(青木 献)

 
[その他]
研究課題名:一輪ギク品種の育成
予算区分:県単
研究期間:1996~2009年度
研究担当者:青木献、奥村義秀、石川高史、小久保恭明、長谷川徹、野村浩二、西尾讓一、山本雅春、近藤満治、鬼頭温文、渡邊孝政
発表論文等:青木ら(2010)愛知県農業総合試験場研究報告 第42号:P153-161

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