サルビア・スプレンデンス×サルビア・ガラニチカの種間雑種個体の特性
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| [要約] |
サルビア・スプレンデンスを種子親に、サルビア・ガラニチカを花粉親に用いて交配した種間雑種では、両親の中間の核DNA量を示すタイプ1と、花粉親と同じ核DNA量のタイプ2の2つに区別できる。タイプ2は他のガラニチカ品種や市販交雑品種と交配可能である。 |
[キーワード]サルビア、種間雑種、フローサイトメーター |

[担当]岐阜県農技セ・花き部
[代表連絡先]電話:058-239-3132
[区分]関東東海北陸農業・野菜・花き(花き)
[分類]研究・参考 |
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| [背景・ねらい] |
岐阜県は全国有数の鉢花・苗物産地であるが、夏秋期に出荷可能な品目が少なく、この時期の新規品目の育成が求められている。そこで、強い環境耐性を持ち、初夏から秋まで連続開花するサルビア・ガラニチカに着目し、園芸品種サルビア・スプレンデンスと交配し、得られた種間雑種の特性を調査する。 |
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[成果の内容・特徴] |
| 1. |
2008~2009年にサルビア・スプレンデンス(Salvia splendens)5品種(品種名不明の赤の花色を持つ3個体、シズラーラベンダー、シズラーライラックバイカラー)を種子親に、サルビア・ガラニチカ(S. guaranitica、ディープブルータイプ)を花粉親にして交配を行った。翌年に播種し、18の雑種個体を得た。雑種個体は、葉の形態が両親の中間を示し、葉にガラニチカ由来のメントール様の香気を持つことから、雑種判別が可能である(図1)。 |
| 2. |
雑種個体と両親の若葉を混合し、フローサイトメーターを用いて核DNA量を分析すると、両親の中間の核DNA量を持つタイプ1と、花粉親のガラニチカと同じ核DNA量を持つタイプ2に区別できる(図3-1)。18の雑種のうち、タイプ1は17個体、タイプ2は1個体である。 |
| 3. |
タイプ1の形態は、花色が鮮やかな青紫色であった。節間長が長く、草丈が高く、花穂長も長いため、鉢物・花壇苗としては利用が困難と思われた(表1、図2)。花粉がほとんど出ず、自家受粉を行っても種子は得られない。 |
| 4. |
タイプ2の形態は、花色が赤紫色であった。節間長と草丈は両親の中間程度で、花穂長はスプレンデンスと同程度であった。ただし、鉢物や花壇苗として利用するには草丈が高すぎるため、観賞価値が劣る(表1、図2)。自家受粉では、多数の種子を得ることができる。また、この個体は品種名不明の赤の花色を持つ品種が種子親である。 |
| 5. |
同じ組合せの市販種間交雑品種である「ビックブルー」、「ビッグパープル」と、タイプ2を混合し、フローサイトメーターで同時に分析すると、ピークの分離が見られず、同じ核DNA量である(図3-2)。 |
| 6. |
タイプ2を市販交雑品種や他のガラニチカ品種と交配したところ、容易に種子が得られることを確認しており、花色・草姿・環境耐性について、さらに改良が可能と思われる。 |
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[成果の活用面・留意点] |
| 1. |
育成した雑種個体は、5月下旬~降霜期まで連続開花したことを確認済み。 |
| 2. |
フローサイトメーターはPartec社のPloidy Analyserを使用。分析時の流速は0.5μl/s。
また、測定時のGAIN値は555である。 |
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[具体的データ] |
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| [その他] |
研究課題名:「ぎふ清流国体」に向けた地域ブランド研究開発事業
予算区分:県単
研究期間:2008~2011年度
研究担当者:三輪俊貴
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