いぼ無しキュウリを用いた周年生産体系における作型別最適栽植密度


[要約]
いぼ無しキュウリ「フリーダム」の周年生産体系の栽植密度は、4月播種・摘心栽培で800本/10a、7月播種・摘心栽培で800本/10a、9月播種・つる下ろし栽培で1,100本/10a、11月播種・摘心栽培で1,100本/10aが最適で、収量も最も多くなる。

[キーワード]キュウリ、いぼ無し、周年生産、業務用、栽植密度、多収

[担当]埼玉農総研・園芸研究所・野菜・花担当
[代表連絡先]電話:0480-21-1115
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
キュウリはサラダ用食材としての業務用需要が多い。しかし、いぼが多いと洗浄しにくく、細菌が繁殖しやすいことから衛生面で問題とされ、食材としての利用拡大が制約されている。著者らは、いぼ無しキュウリは食味や衛生面から有用な特性を持っており、周年栽培(図1)の業務用に適する品種として「フリーダム」を選定した。しかしながら慣行の栽培方法では、側枝の発生が旺盛となるため生産が不安定である。そこで、作型別の最適な栽植密度を検討し、県内で行われている慣行栽培体系(体系Ⅱ)に収穫物のない期間の新体系(体系Ⅰ)を組み合わせた周年生産体系の確立に資する。

[成果の内容・特徴]
1. 4月播種の作型では栽植密度が低くなるに従って1株当たりの節数が増加し、10a当たりの節数は減少する。収量は栽植密度が900本~800本/10aで最も多収となるが、省力栽培を目的とする場合は800本/10aとする(表1)。
2. 7月播種の作型では、栽植密度が低くなるに従って1株当たりの節数が増加し、10a当たりの節数はやや減少する。最も多収な栽植密度は800本/10a程度とする(表1)。
3. 9月播種の作型では低温寡日照期の作型であるため、下段の子づる4本をのばし10節で孫づるに更新するつる下ろし栽培が、摘心栽培より多収となる(表1)。
4. 11月播種の作型では、栽植密度が低くなるに従って1株当たりの節数がおおむね増加するが区間に有意な差はなく、10a当たりの節数は栽植密度が低くなるに従って減少する。最も多収な栽植密度は1,100本/10aとする(表1、2)。
5. 慣行栽培体系(体系Ⅱ)に新栽培体系(体系Ⅰ)を組み合わせると、収穫物のない期間が無くなり。周年生産が可能となる(図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 「フリーダムハウス1号」は側枝の発生が旺盛で作業性が劣るため、収量は減少するが、側枝の発生がやや少ない「フリーダムハウス3号」を用いてもよい。
2. 9月播種の作型は低温寡日照期の作型であるため、側枝の発生が旺盛な「フリーダムハウス1号」を用いても他の作型に比べて側枝の発生や伸張が遅くなるため、側枝をそのまま伸ばすつる下ろし栽培の方が適している。

[具体的データ]
表1
表2 各作型における抜き取り時の節数及び10a当たり換算節数
図1

(清野英樹)

[その他]
研究課題名:衛生面に優れた業務用向きいぼ無しキュウリの周年栽培技術と経営評価
予算区分: 委託プロ(加工プロ)
研究期間:2009~2010年度
研究担当者: 清野英樹、関口明男

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