中玉トマト「ちばさんさん」の半促成栽培技術


[要約]
「ちばさんさん」の半促成栽培では、果房直下の側枝を本葉4枚で摘心して葉数を増やすことにより、果数、収量及び1果重を減らすことなく糖度が向上する。また、4L/週/株程度の灌水を行うことにより、小果を減らすことができる。

[キーワード]「ちばさんさん」、半促成栽培、高糖度、側枝管理、灌水量

[担当]千葉農林総研・生産技術部・野菜研究室、育種研究所・野菜緑化育種研究室
[代表連絡先]電話:043-291-0151
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
「ちばさんさん」は千葉県が育成した中玉トマトの新品種である(平成19年3月品種登録出願、平成21年2月品種登録)。本品種は機能性成分であるβ-カロテン、ビタミンCが多く、糖度が高く食味が優れる。一方で、萎れが生じやすく小果になりやすいといった問題もある。そこで、高糖度で良食味という品種特性を安定的に発揮するための栽培法を、半促成作型において開発する。

[成果の内容・特徴]
1. 果房直下の側枝を本葉4枚で摘心して葉数を増やすと、果数、収量及び上物1果重は対照の直立整枝法並みであるが、糖度は第5果房以降で高くなる(図1図2)。
2. 第1花房開花前の若苗を定植すると、慣行の定植適期苗(第1花房が1、2花開花した状態)に比べて生育初期の樹勢は強くなる(データ略)。しかし、総収量、上物収量、上物1果重及び平均糖度は同等である(表1)。
3. 灌水量を1~4L/週/株とすると、総収量、上物収量、上物1果重及び平均糖度は変化がないが、小果は灌水量が多いほど減少するため(表2)、4L/週/株程度を目安に土壌条件や生育状況に応じて灌水量を調節する。

[成果の活用面・留意点]
1. 本成果は千葉農林総研(千葉市緑区)内のガラスハウス(表層腐食質黒ボク土)で実施した試験によるものであり、土壌及び気象条件が同様な地域で適用できる。
2. 抑制栽培では、果房直下の側枝を本葉4枚で摘心しても糖度は向上しない。また、若苗で定植しても収量や糖度に差はみられない。
3. 果房直下の側枝を残すことで茎葉が繁茂し、病害虫の増加や作業性の低下につながるおそれがあるため、防除を徹底し労力の確保を図る。
4. ネコブセンチュウや根腐萎凋病などの土壌病害虫に対して抵抗性がないため、これらの汚染圃場では抵抗性台木を使用する。
5. 「ちばさんさん」の種子配付は、当分の間、千葉県内に限定する。

[具体的データ]

(押田正義)

[その他]
研究課題名:トマト新品種「ちばさんさん」の栽培法の確立
予算区分:県単
研究期間:2008~2009年度
研究担当者:草川知行、押田正義、塚本崇志、鈴木秀章、吉田俊郎

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