デンプンに乳化能を付与する過熱水蒸気処理技術


[要約]
デンプンにクエン酸と植物油を加え、さらにブドウ糖や果糖などの単糖を加えて混合した粉体を過熱水蒸気で170℃10から20分間処理することで、デンプンに乳化能を付与できる。

[キーワード]デンプン、クエン酸、植物油、単糖、過熱水蒸気

[担当]石川農研・資源加工研究部・流通加工グループ
[代表連絡先]電話:076-257-6978
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
油脂と水を均一に混合させる効果を持つ乳化剤は、加工食品の品質保持・向上のために欠かせないものである。しかし、乳化剤は、食品添加物であるため消費者に敬遠される傾向にある。そこで、乳化剤に替わる乳化能を持つ食品素材を開発し、その効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. デンプンを過熱水蒸気処理した場合、デンプンが白い粉末状態を維持できる処理温度は、170℃以下である(表1)。
2. デンプンに乳化能を付与する原料は、デンプンに植物油とクエン酸を加える、または、それにブドウ糖や果糖を加えて混合した粉体である(表2)。
3. 過熱水蒸気処理したデンプンなどの混合粉体の色調は、処理時間が長いほど、また、果糖やブドウ糖を加えるとくすんだ色に着色する(図1)。
4. 過熱水蒸気処理したデンプンなどの混合粉体の乳化能は、処理区1(デンプン+植物油+クエン酸の混合粉体を170℃10分処理)が最も強く、次に処理区5(デンプン+植物油+クエン酸+ブドウ糖の混合粉体を170℃20分処理)、処理区4(デンプン+植物油+クエン酸+果糖の混合粉体を170℃20分処理)の順に強い(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 本技術を応用して、米粉に乳化能を付与できる過熱水蒸気処理技術の開発が可能となる。
2. 乳化能を効率的に付与できる有機酸、糖類、植物油の種類については、さらに検討する必要がある。

[具体的データ]
表1 過熱水蒸気処理温度によるデンプン粉末の特性
表2 過熱水蒸気処理したサンプルの処理区
図1 添加物および処理温度の色調への影響 図2 過熱水蒸気処理よる乳化能

(石川県農業総合研究センター)

[その他]
研究課題名:従来の乳化剤に代わる米粉由来素材の低コスト大量生産技術の開発
予算区分: 実用技術
研究期間:2010~2012年度
研究担当者: 三輪章志、中村恵美、山田幸信

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