中生晩熟期で短稈・多収・良食味な水稲新品種候補「信交526号」


[要約]
水稲「信交526号」は、中生晩の熟期で、収量性、耐倒伏性が優れ、いもち病に強い。白未熟粒の発生が少なく玄米外観品質が優れ、良食味系統である。

[キーワード]水稲、信交526号、多収、良食味、玄米外観品質

[担当]長野農試・育種部
[代表連絡先]電話:026-246-9783
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
「コシヒカリ」への作付け集中による作業競合や、低暖地を中心に登熟期間の高温による白未熟粒発生頻度が高くなり、品質低下がみられる。また、作業分散を目的として採用された中晩生の「キヌヒカリ」は、近年の夏期の高温に伴い、出穂期が早まり「コシヒカリ」とほぼ同熟となっている。そこで、「コシヒカリ」より晩熟で高温登熟が回避でき、耐倒伏性が高く高位安定多収で、いもち病にも強い「信交526号」を導入し、低コスト高品質生産や減農薬栽培に、県ブランド品種として生産振興を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 「信交526号」は「北陸178号」を母親に「信交485号(後の「ゆめしなの」)」を父親とした交雑後代から育成した系統である。
2. 「信交526号」の特性は、以下のとおりである(表1)。
(1)「キヌヒカリ」と比較し、出穂期で3日、成熟期で6日遅く、早晩性は“中生の晩”である。
(2)稈長は短く、倒伏に強い。
(3)芒は無く、ふ先色およびふ色は“黄白”で、粒着密度は“密”である
(4)「キヌヒカリ」と比較し、収量性は高く、精玄米重は8%多い。
(5)いもち病真性抵抗性遺伝子はPii を有すると推定され、葉いもち圃場抵抗性は“中”、穂いもち圃場抵抗性は“強”であり、「キヌヒカリ」と比較し、いもち病に強い。
(6)「コシヒカリ」と比較し、白未熟粒の発生が少ない。

[成果の活用面・留意点]
1. 栽培適地は長野県内の標高600m以下(北信は400m以下)の地帯。
2. 倒伏に強いが良食味維持のため、施肥における過度な窒素投入は避けること。

[具体的データ]
表1 特性一覧

(長野県農業試験場)

[その他]
研究課題名:水稲の耐冷、良食味、酒造好適米品種の育成
予算区分:県単
研究期間:2000~2010年度
研究担当者:高松光生、細井淳、久保田基成、新井利直、中澤伸夫

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