トマト隔離ベット栽培で発生した黄化症状の原因と対策
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| [要約] |
トマト隔離ベット栽培では低硫酸根肥料の連用と除塩目的のソルガム栽培によって、土壌中のイオウ含量が限界以下に減少し,トマト葉に黄化症状が発生する。この症状は硫酸カリ施用により改善できる。 |
[キーワード]v |

[担当]愛知農総試・企画普及部・広域指導グループ
[代表連絡先]電話:0561-62-0085
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料
[分類]技術 ・参考 |
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| [背景・ねらい] |
1996年から隔離ベット栽培を導入しているトマト施設において株全体が黄化する症状が2007年より発生し、その後、発生株が増加してきている。黄化症状は、第1果房肥大期頃に上位葉から始まり、その後、下位葉に進展する。その症状から鉄欠乏、カリ欠乏、苦土欠乏が疑われ葉面散布等による対応策が実施されたが、症状の改善は認められていない。そこで、本黄化症状の原因を突き止め、改善策を提示する。 |
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[成果の内容・特徴] |
| 1. |
黄化葉の成分をみると、症状が見られない正常葉に比較してカリウム、イオウ含量が低く、その傾向はイオウで顕著である。また、試験場内の隔離ベット栽培(被覆リン硝安カリ+園芸化成)でのトマト葉と比較するとイオウ含量が大きく異なり、現地施設の正常葉株も潜在的な欠乏状態であることが疑われる(表1)。 |
| 2. |
土壌成分をみると、有効態リン酸、交換性カルシウム・マグネシウムが蓄積している反面、交換性カリウム、水溶性イオウが少ない傾向が認められる(表2)。 |
| 3. |
用いられている給液の成分は、園試処方や山崎処方(トマト)に比較し、イオウ含量が極端に少ない(表3)。 |
| 4. |
1ベット当たりの給液量は9424L(1作当たり)で、イオウの供給量は19.8g/ベットである。作後除塩目的で栽培されるソルガムにより、供給量の1/2(9.4g/ベット)程度のイオウが持ち出しされている。一方、カリウムの供給量は7.0kg/ベット、ソルガムによる収奪量は0.2kg/ベットで、イオウに比較して持ち出される割合が小さい。 |
| 5. |
半促成作型において黄化症状を呈した株に硫酸カリを株当たり20gを株元に施用したところ、10日後には処理株の葉色が改善した。処理前後の葉成分中イオウ含量の変化は、他成分に比べ大きい(表4)。 |
| 6. |
本施設で発生した黄化症状は、長期のイオウ供給不足と除塩目的のソルガム栽培によるイオウ欠乏が主因である。 |
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[成果の活用面・留意点] |
| 1. |
ドレインベット等隔離ベット栽培で低硫酸根肥料を用いた養液土耕栽培に適応する。 |
| 2. |
硫酸カリ施用に当たっては、土壌診断により交換性カリ含量を確認し、塩基バランスを崩さないように注意する。 |
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[具体的データ] |
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| [その他] |
研究課題名:低コスト及び環境負荷低減を目指した土壌・施肥管理技術の確立と普及
予算区分:県単
研究期間:2009~2010年度
研究担当者:池田彰弘、日置雅之(畜産研究部)、加藤奈由美(尾張農林水産事務所)
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