麦および大豆における播種同時除草剤散布技術 |
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[要約] |
麦および大豆作において、除草剤散粒機を播種機に取り付けることで、播種と除草剤(細粒剤)散布の同時作業が可能となり、作業を省力化できる。 |
[キーワード]麦、大豆、播種同時除草剤散布、細粒剤 |
[担当]茨城農総セ農研・経営技術研究室
[代表連絡先]電話:029-239-7210
[区分]関東東海北陸農業・作業技術
[分類]技術・参考 |
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[背景・ねらい] |
従来の麦および大豆作では、播種後に除草剤(液剤)が散布されているが、更なる作業時間の短縮や水を必要としない除草作業が求められている。そこで、麦および大豆作における除草作業の省力化を図るため、播種同時除草剤散布技術を確立する。 |
[成果の内容・特徴] |
1. |
除草剤散粒機(以下、「本機」と記す)は、播種機の後方に取り付けることができる。本機は、接地輪の回転に連動して、除草剤(細粒剤)を除草剤ホッパから定量ずつ落下させ、トラクタのバッテリを電源としたモータで回転する回転盤の遠心力で飛散させる。散布幅は、散布高さおよび抵抗板により微調整できる(図1)。 |
2. |
本機は、麦・大豆の播種作業に使用される横溝ロール式播種機および傾斜回転目皿式播種機の播種機取付けバー(角パイプ)に取り付け可能である(図1)。 |
3. |
本機を播種機の後方に2機取り付けることで、散布幅1.8mに概ね均一に細粒剤を散布できる(図2)。 |
4. |
本機を使用した播種作業時間は、除草剤の補給時間がかかるため慣行よりも6%程度多く要するが、播種から除草剤散布にかかわる総作業時間は、慣行よりも短縮できる(表1)。 |
5. |
本機を使用して細粒剤を散布した麦・大豆の収量および成熟期の雑草発生量は、慣行の乳剤を散布した場合と同等である(表2)。 |
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[成果の活用面・留意点] |
1. |
本機は、株式会社サンエーが受注生産により販売している。2機がセット(型式:KT14AS-2)での販売予定価格が25万円である。 |
2. |
クリアターン細粒剤Fの価格は、クリアターン乳剤の価格と比較して724円/10a程度高い。ゴーゴーサン細粒剤Fの価格は、ゴーゴーサン乳剤の価格と比較して645円/10a程度高い。 |
3. |
本技術は、麦および大豆の除草剤散布に可搬型動力噴霧機を使用しており、かつ両作物の総作付面積が8ha以上の経営体が導入することで、経済的有利性が得られる。 |
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[具体的データ]
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[その他] |
研究課題名:麦・大豆の不耕起栽培における播種同時除草剤散布作業法の確立
予算区分:受託(輪作プロ)
研究期間:2005〜2006年度
研究担当者:皆川博、弓野功、西村彰浩(株式会社サンエー)
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