トルコギキョウの桔梗様花形を有する新品種「エグゼ」シリーズ


[要約]
新品種「エグゼ」シリーズは、花形が桔梗様を有する一重咲きで、早晩性は中生のトルコギキョウである。「エグゼパープル」は花色が青味紫色、「エグゼピンク」は花色が紫ピンク色である。

[キーワード]トルコギキョウ、新品種、桔梗様花形、中生

[担当]岐阜農技セ・花き部
[代表連絡先]電話:058-239-3132
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  トルコギキョウは本県全域で栽培されている主要な切り花品目である。しかし、近年の産地間競争の激化のため、岐阜県オリジナル品種(オンリーワン品種)による他産地との差別化は、産地の競争力を高めるための大きな原動力の一つである。
  そこで、有望性及び新規性のある品種として桔梗様の花形を有するF1新品種「エグゼ」シリーズを育成した。

[成果の内容・特徴]
1. 「エグゼパープル」は、平成14年までに選抜固定した中間母本「01-5」を子房親、「YA-W-1」を花粉親として平成15年に交配した。一方「エグゼピンク」は、平成14年までに選抜固定した中間母本「YA-P-1」を子房親、中間母本「NA01-1」を花粉親として平成15年に交配した(図1)。
2. 「エグゼパープル」及び「エグゼピンク」は一重咲きで、花形は広漏斗形である。花弁先 端が鋭形であり、花弁幅が小さくまた花弁長が大きいため、桔梗様な花形を有している(表1図2)。
3. 「エグゼパープル」は、花弁表面の色が青味紫色、色表番号は8311であり、「エグゼピン ク」は、花弁表面の色が紫ピンク色、色表番号は9203である(表1図2)。
4. 「エグゼパープル」及び「エグゼピンク」の早晩性は中生である(表2)。
5. 「エグゼパープル」及び「エグゼピンク」の枝の着生位置は上〜中部である。分枝数及び 花らい数が多く、草丈は高い(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 「エグゼパープル」及び「エグゼピンク」は品種登録出願中である。
2. 「エグゼ」シリーズは、中山間地の8月〜9月開花の作型及び平坦地の6月〜7月作型に適している。


[具体的データ]

図1 「エグゼ」シリーズの育成系統図 図2 草姿(左:エグゼパープル 右:エグゼピンク)
表1 供試品種の花の特徴
表2 供試品種の切り花品質

[その他]
研究課題名:トルコギキョウの新品種育成
予算区分:県単
研究期間:2004〜2006年度
研究担当者:多田幸広、三輪俊貴、宇次原清尚
発表論文等:品種登録出願番号第20378号(エグゼパープル)、第20379号(エグゼピンク)

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