切り花ヒマワリのポット栽培における播種時期と収穫時期・切り花品質


[要約]
切り花ヒマワリを3号ポットで5月下旬から9月中旬まで播種し、無加温のガラス室で栽培すると約60日で収穫でき、7月中旬から11月上旬まで商品性の高い切り花が収穫できる。

[キーワード]切り花ヒマワリ、ポット栽培、播種時期、収穫時期

[担当]神奈川農技セ・果樹花き研究部
[代表連絡先]電話:0463-58-0333
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
直売やブーケ・アレンジメント用として需要が多い切り花ヒマワリを安定して連続的に収穫するため、ポット栽培での播種時期が収穫時期及び切り花品質に及ぼす影響を調査する。

[成果の内容・特徴]
1. 収穫までの日数は、5月下旬から7月初旬播種では64日程度、7月中旬から9月下旬播種では55日程度、10月中旬播種では60日程度、10月下旬播種では75日程度である(図1)。
2. 同じ播種日の概ね9割は1週間程度の期間で収穫でき、約2週間間隔で播種しても収穫は重複しない(図2)。
3. 8月初旬播種までは、切り花長は100cm以上、切り花重は30g以上、花径は7cm前後および花茎径は3.5mm程度となる。8月中旬から9月中旬播種では切り花長、切り花重は徐々に小さくなる。9月下旬以降の播種では切り花長は60cm以下、花径は7cm以下と小さくなり、花茎径は4mm以上と太くなり商品性は低下する(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 「サンリッチマンゴー50」での結果であり、品種により収穫までの日数、切り花品質は異なる。
2. 栽培は3号ポットを用い約33cm×49cm×7.5cmの大きさのトレーに24ポットの密度で栽培する。
3. 用土は、赤土:腐葉土:ピートモス=7:2:1(容積比)で混合し、基肥として用土1L当たり苦土石灰2g、重焼リン2gおよびエコロング424-702gを混和して使用する。
4. かん水は簡易プールベンチを用いて1〜2回/日の頻度でタイマーにより給水・排水する。
5. 連続的に収穫するためには1週間間隔で播種する。

[具体的データ]
図1 播種日と収穫までの日数
図2 播種日ごとの収穫に要した期間
表1 播種日と切り花品質

(柳下良美)

[その他]
研究課題名:花き類の高品質・省力栽培技術の開発
予算区分:県単
研究期間:2006~2008年度
研究担当者:柳下良美


目次へ戻る