- [要約]
- キクわい化ウイロイド(CSVd)の遺伝子をクローニングし、そのクローンを鋳型としPCRでDIG標識DNAプローブを合成する。このプローブを使いドットブロット ハイブリダイゼーションでCSVdを検定すると迅速、高感度に検出することができる。
兵庫県立中央農業技術センター 生物工学研究所
[連絡先]0790-47-1117
[部会名]生物工学
[専 門]バイテク
[対 象]花き類
[分 類]普 及
- [背景・ねらい]
- 兵庫県では、逆転写-遺伝子増幅法(RT-PCR)を用いたキクわい化ウイロイドの検定方法を確立し、迅速で確実な検定法として普及員に指導し、農家のキクの検定に利用している。さらに、安価でより迅速な検定法として、DIG(ディゴキシゲニン)標識DNAプローブを用いたドットブロットハイブリダイゼーションによる検定法を確立する。
[成果の内容・特徴]
- CSVd遺伝子をRT-PCRで増幅し、pUC119のSmaⅠサイトにクローニングし、これを鋳型にPCRでDIG標識プローブを作製する(図1)。
プライマーの配列:相補型;GCCCCAGCCGCGATCTCGTC、相同型;GACAGGAGTAATCCTAAAC
- キク葉0.05gを緩衝液(0.5M NaCl、0.1M Tris-HCl、0.5%SDS、0.25% DIECA)で磨砕し、0.5mlのフェノール/クロロフォルムを加えRNAを抽出し、エタノール沈殿する。沈殿を乾燥後20μlの蒸留水に懸濁する。その2μlを変性してナイロン膜にスポット後、風乾する。ナイロン膜を120℃で30分間ベーキングした後、薄手のプラスチック容器に入れ、100℃で2分間変性したDIG標識プローブとハイブリダイゼーションする。酵素標識抗DIG体を結合させ、基質、発色剤を反応させて青紫色の発色を確認する。
- CSVd接種株は青紫のスポットを示すが、無接種株はスポットができない(図2)。接種試料を段階希釈し、検定すると100倍から1,000倍の希釈でも陽性反応が確認できる(図3)。
- 検定の精度は生物検定やRT-PCRと比べ同程度で、検定期間が1.5~2.0日と短く、1度に扱える検体数も多く(50個体/1人)、優れた検定法である。
[成果の活用面・留意点]
- この方法は微量の試料で短期間のうちに効率よく検定できるので、繁殖母本や培養幼植物の保毒検定にも適用できる。
- 操作はやや煩雑で、技術的な熟練が必要である。普及に移す際は、試験場で研修することが望ましい。
[その他]
研究課題名:遺伝子増幅法利用による有用遺伝子の検索並びに植物ウイルス診断技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成8年度(平成4~8年)
研究担当者:塩飽邦子
発表論文等:キクわい化ウイロイド(Chrysanthemum Stunt Viroid)遺伝子のクローニング
と全塩基配列、兵庫県農技研報、第44号、1996.
ドットブロットハイブリダイゼーションによるキクわい化ウイロイド
(Chrysanthmum Stunt Viroid)の検定、関西病虫研報、第38号、1996年.
キクわい化ウイロイド感染とわい化症状、関西病虫研報、第38号、1996年.
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