- [要約]
- パーティクルガンによるアスパラガス培養細胞の形質転換法を開発した。不定胚形成細胞および球状胚では、遺伝子銃の加速圧力の調節により効率的な遺伝子導入が可能である。
広島県立農業技術センター・生物工学研究所・細胞工学研究室
[連絡先]0824-29-0521
[部会名]生物工学
[専 門]バイテク
[対 象]葉茎菜類
[分 類]研究
- [背景・ねらい]
- アスパラガスの難防除病害である茎枯病は、抵抗性を示す近縁種がなく、十分な防除法も確立されていない。そのため、抵抗性遺伝子導入による新植物育成技術の開発が必要である。パーティクルガンによる遺伝子導入法は、細胞壁を持つ細胞に直接遺伝子導入が可能なため、材料の適用範囲が広い。アスパラガスでは既に多芽体や不定胚からの安定した植物体再生系を確立しており、パーティクルガンを用いた形質転換法を確立する。
[成果の内容・特徴]
- パーティクルガンを用いたアスパラガスへの遺伝子導入効率を検討するため、GUS遺伝子を導入する。不定胚形成細胞(EC)、球状胚、多芽体をそれぞれ径35mmの円内に収まるように配置し、空気圧縮式パーティクルガンを用いて試料あたり0.8μgの遺伝子を導入する。
- 培養細胞への遺伝子導入時の加速圧力は、不定胚形成細胞、球状胚、多芽体のいずれも150kg/cm2 が最適である。また、GUS遺伝子の発現を示す青色スポットによる遺伝子導入効率は、不定胚形成細胞および球状胚において高い(表1、図1)。
- 上記の方法により、NPT-II(カナマイシン抵抗性)遺伝子とGUS遺伝子を導入した不定胚形成細胞0.8gをジェネティシン添加培地で選抜することにより、形質転換植物を1個体得ている。
- 導入した遺伝子が再生植物に維持されていることをサザンハイブリダイゼーション法により確認した(図2)。
[成果の活用面・留意点]
- 本成果はアスパラガスの不定胚培養系を利用したものであるが、同様な培養系を持つ他の作物にも適用可能であると推定される。
- 今後、選抜条件などを検討し、形質転換効率を向上する必要がある。
[その他]
研究課題名:パーティクルガンによる形質転換技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成7年度(平成5~7年)
研究担当者:重本直樹、甲村浩之、*入船浩平、*森川弘道(*広島大・理学部)
発表論文等:Production of transgenic plants of Asparagus officinalis by bombardment-mediated transformation(投稿中)
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