- [要約]
- ミズナ,ミブナ等の雨よけ栽培において、0.6㎜目合いのネットでトンネル被覆を行うことにより、アブラナ科野菜の害虫であるキスジノミハムシ成虫の侵入が阻止され、被害を顕著に軽減できる。
京都府農業総合研究所・環境部
[連絡先]0771-22-0424
[部会名]近畿中国・生産環境、近畿中国・総合研究
[専 門]作物害虫
[対 象]葉茎菜類
[分 類]指導
- [背景・ねらい]
- アブラナ科葉茎菜の雨よけ周年栽培が普及する中で、キスジノミハムシ成虫による地上部の食害が問題となっている。京都府が生産振興を図っているミズナやミブナには登録農薬がほとんどなく、各種の被覆資材を用いた物理的防除が行われている。しかし、従来用いられていた不織布や1㎜目合いのネットによる被覆葉キスジノミハムシの成虫の侵入を阻止するには不十分であり、防除効果は低かった。そこで、被覆資材として0.6㎜目合いのネットを用いた防除効果について検討する。
[成果の内容・特徴]
- 被覆資材のキスジノミハムシ成虫の侵入阻止率は、不織布では種類や資材面の方向によって差が見られる。1㎜目合いのネットでは0%であるが、0.6㎜目合いのネットでは100%である。(表1)
- ミブナの雨よけハウス栽培では、0.6㎜目合いのネットを用いたトンネル被覆は1㎜目合いのネットに比べてキスジノミハムシ成虫による被害葉率、食痕数を著しく軽減させる(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 0.6㎜目合いの防虫ネットは、他の被覆資材に比べてコストが高いが、目合いが均一なので防除効果が安定しており、また耐久性があるので繰り返して使用できる。
- 0.6㎜目合いのネットを用いた被覆栽培でも、キスジミハムシ成虫による若干の被害を受ける。これは、被覆の裾部分からの侵入や被覆内土中から羽化した成虫によるものと思われる。そこで、栽培前に太陽熱利用等による土壌消毒で幼虫の防除を行い、資材と地面との隙間をなくして被覆を行うことで、より被害の抑制が可能である。
- 被覆による作物への影響は未調査であるが、夏期の被覆栽培では遮光や通気性不良、温度上昇により作物が軟弱徒長する傾向があるので、ハウス内の換気に努める。
- 近紫外線の除去によりキスジノミハムシの被害が軽減できることから、ハウスの外張りに近紫外線防除フィルムを用いることで、より被害を抑制できる。
[その他]
研究課題名:中山間地域の特性を生かした基幹野菜の高品質周年、軽作業化生産技術
予算区分 :地域基幹(国補)
研究期間 :平成8年(平成6年~9年)
研究担当者:竹内 敬一朗、赤堀 伸、岡留 和伸
発表論文等:なし
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