- [要約]
- オオムギ網斑病は種子あるいは被害茎葉から伝染し、種子伝染による発病は出芽時の気温が低いほど多くなる。被害茎葉からの伝染に対する耕種的防除法として、麦跡へのイネの作付、または次年度のオオムギの作付の中止が有効である。
鳥取県農業試験場・環境研究室
[連絡先]0857-53-0721
[部会名]近畿中国・生産環境
[専 門]作物病害
[対 象]麦類
[分 類]指導
- [背景・ねらい]
- オオムギ網斑病は世界各地の温暖・湿潤な地域で発生する種子伝染性の重要病害の一つである。日本では北海道および鹿児島県で局所的な激発事例が報告されているのみであり、これまで重要病害として認識されていなかった。ところが、鳥取県では1990年から本病が多発生し、オオムギの栽培を推進する上で大きな問題となっている。そこで、本病の発生生態の解明と耕種的防除法について検討を行った。
[成果の内容・特徴]
- 本病は播種の約1ヶ月後から種子あるいは被害茎葉からの伝染によって発病し、この時期の発病茎率が高いほど病勢進展は早くから始まり、収穫期の発生程度も高くなる(図1、表1)。
- 本病の種子伝染による発病は出芽時の気温が低いほど多くなり、とくに15℃より低い温度ではこの傾向が顕著である(図2)。
- 本病が発生したほ場では被害茎葉からの伝染が起こるが、これを防止するための耕種的防除法として、麦跡にイネを作付するか、または次年度のオオムギの作付を中止する方法が有効である(図3)。
[成果の活用面・留意点]
- 秋播き麦作地帯における作付体系に活用する。
- 種子消毒法等の種子に起因する発病防止対策が未確立のため、発病ほ場からの採種を行わない。
[その他]
研究課題名:オオムギ網斑病防除対策試験
予算区分 :国補(病害虫発生予察事業)
研究期間 :平成8年度(平成3~8年)
研究担当者:長谷川優
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