ナミテントウ幼虫による半促成栽培ナスのアブラムシ類の防除効果


[要約]
半促成栽培ナスにおいて、アブラムシ類の発生初期にナミテントウ2齢幼虫を1シュ-ト当たり1頭(株当たり5頭)放飼すると、1週間後には1シュ-ト当たり(または10葉当たり) 0.5頭以下に抑え、その後約40日間低密度に抑制できる。
 兵庫県立中央農業技術センタ-・農業試験場・環境部
[連絡先]0790-47-1117
[部会名]近畿・中国生産環境、近畿・中国総合研究
[専 門]作物虫害
[対 象]果菜類
[分 類]研究

[背景・ねらい]
 半促成栽培ナスにおいて、アブラムシ類は4月下旬~5月上旬に発生し、ナス生産上問題となる重要害虫である。また、頻繁な薬剤散布は薬剤抵抗性の発達要因となっている。一方、消費者側からは減農薬高品質農産物の安定供給が望まれており、従来の農薬に代わるナミテントウ幼虫を利用したアブラムシ類の防除法を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. ワタアブラムシとナミテントウ2齢幼虫の放飼比率を、20:1、40:1、 120:1の割合で放飼すると、20:1及び40:1では1日後からワタアブラムシの密度は減少し、20:1では2日後、40:1では3日後にほとんど食べ尽くし、顕著な捕食効果が認められる (図1)
  2. 3月上旬定植の半促成栽培ナスにおいて、アブラムシ類の発生初期(4月下旬~5月上旬)にナミテントウ2齢幼虫を1シュ-ト当たり1頭(株当たり5頭)を1回放飼することにより、1週間後にワタアブラムシの密度を10葉当たり 0.5頭以下に、モモアカアブラムシの密度を1シュ-ト当たり 0.5頭以下に抑え、その後約40日間低密度に抑制する(図2,3)

[成果の活用面・留意点]
  1. ナミテントウ2齢幼虫の放飼はナス定植後のアブラムシ類の発生初期の低密度時(1シュ-ト当たり5頭)が有効であり、高密度(1シュ-ト当たり 100頭以上)になると抑制するまで期間がかかる。
  2. ナミテントウの成虫は移動性(飛翔性)が高いので、幼虫放飼の方が捕食効果が高い。
  3. 病害や他害虫が発生した場合、ナミテントウに影響の少ない薬剤で防除を行うか、他の天敵類を利用する。

[その他]
 研究課題名:ナス科作物の難防除病害虫に対する天敵・拮抗微生物利用技術の開発
 予算区分 :地域基幹農業研究
 研究期間 :平成8年度(平成6~10年)
 研究担当者:足立年一、山下賢一、藤富正昭
 発表論文等:なし

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