- [要約]
- スターチス萎凋細菌病の生物的防除法として、スターチス根面より分離・選抜したPseudomonas 属2種の細菌を苗浸漬処理する。ダゾメット剤との併用で高い防除効果が得られる。現地農家ハウスにおいて効果が確認され、適応性が認められる。
和歌山県農業試験場・病虫部
[連絡先]0736-64-2300
[部会名]近畿中国・生産環境
[専 門]作物病害
[対 象]その他花き類
[分 類]研究
- [背景・ねらい]
- 和歌山県特産のスターチス栽培が増加し、連作につれて産地全域が土壌病害であるスターチス萎凋細菌病に汚染されてきた。本病害の防除は臭化メチル等の土壌消毒剤で行われているが、防除効果は不十分である。そこで、臭化メチルの代替技術の一貫として、有用微生物を用いた生物的防除技術を開発する。
[成果の内容・特徴]
- 本県日高郡内のスターチス・シヌアータの栽培ハウスよりスターチスの根を採取して、根面より細菌を分離し、スターチス実生での実験系において萎凋細菌病に対する発病抑制効果の高い細菌を選抜した。さらに、自然発病土を用いたポット試験および実生根上での定着について試験を行った。その結果、3菌株(S65、S80、S136)の発病抑制細菌が、見出された。S80およびS136菌株はPseudomonas 属菌、S65菌株はBacillus 属菌である。
- 振とう培養した発病抑制細菌を約10の8乗CFU/mlに調整した菌液に、128穴プラグポット等で育苗した苗を10分間浸漬処理後、定植する。
- 圃場試験において、複数菌株の処理により発病抑制効果の増強と効果の持続が認められ、S80とS136菌株の組み合わせで効果が高い(図1)。
- 病原菌密度の高い汚染圃場では、発病抑制細菌の処理とダゾメット微粒剤40kg/10aによる土壌消毒を併用することにより、高い防除効果が得られる(図1)。
- 農家ハウスの9月6日定植のスターチス栽培において、土壌消毒をしない条件で実施した、発病抑制細菌処理(S80、S136菌株混合)は萎凋細菌病による被害に対し軽減効果が高く、現地適応性が認められる(図2)。
[成果の活用面・留意点]
- 萎凋細菌病高度汚染圃場ではダゾメット微粒剤等の土壌消毒との併用が適する。
- 高温時の定植を避けるなどの耕種的対策も併せて実施する。
[その他]
研究課題名:拮抗微生物による野菜・花きの土壌病害の防除技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成8年度(平成5~9年)
研究担当者:増田吉彦
発表論文等:Pseudomonas 属細菌を用いたスターチス萎凋細菌病の生物的防除、日本植物病理学会大会(講要)、1997.
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